『聖☆おにいさん』のブッダもびっくり!? 手塚治虫のライフワーク『ブッダ』アニメ化!

ブッダ(1) (手塚治虫漫画全集 (287))

人はなぜ生きるのか。なぜ苦しむのか。

シャカ族の王子として生まれ、約束された人生を捨てて庶民と交わり、世の苦しみにひたむきに向き合った一人の男。
遂に悟りを開いた彼を人は「悟った人」ブッダと呼んだ…。

仏教の開祖・ブッダことゴータマ・シッダルタの生涯を描いた手塚治虫の代表作『ブッダ』。その劇場用長編アニメーションの制作が発表された。

原作は1972年から1983年まで連載された。単行本は潮出版・講談社などから刊行されている。

劇場版のタイトルは『手塚治虫のブッダ 赤い砂漠よ!美しく』。公式サイトは こちら
手塚漫画の映像化としては昨年の『MW』に続いての劇場用作品となる。

制作は東映アニメーションで、監督は同社の副社長でもある森下孝三。劇場版『ドラゴンボールZ』の企画などを手がけ、実写『デビルマン』の監督も務めている。予告編も公開中で、こちらを見るとキャラクターデザインは手塚治虫の絵と現代的な絵柄をうまくミックスさせたデザインになっている。

気になるキャストには主人公・シッダルタに吉岡秀隆、世の無常を体現する重要な役割を演じるチャプラとその母には堺雅人・吉永小百合を配している。他に観世清和、黒谷友香、水樹奈々など。
水樹以外には声優を本業としている役者は起用されていないのが目を引く。

吉永小百合はもはや説明の必要がない大女優。スクリーン・TVはもちろんのこと、ラジオドラマにも多数出演しており、声優としての演技に心配はない。
NHK大河ドラマ『新撰組!』での山南役でブレイク、映画『クライマーズ・ハイ』『ジェネラル・ルージュの凱旋』などでその存在感を見せつけた堺雅人は、OVA『戦闘妖精・雪風』の主人公・深井零をはじめ、「こち亀」こと『こちら葛飾区亀有公園前派出所』の白鳥麗次役など声優としてのキャリアも積んでいてこちらも問題なし。独特の色気のある声でどのような演技を「聴かせて」くれるのか、今から楽しみだ。

ちなみに詳しい人はご存じだろうが、シッダールタの父を演じる観世清和は能の観世流の二十六代目。これでもかというほどの豪華キャストである。

そして肝心の主役・シッダルタを演じるのは吉岡秀隆。
映画『ALWAYS 三丁目の夕日』で主役の茶川竜之介、TVドラマ『Dr.コトー診療所』ではこれまた主人公の五島健助を演じている。
アニメーションの声優としては『雲の向こう、約束の場所』。

いずれを見ても声優声優していない、いわゆる「アニメ声」を排したキャスティングがなされていることに気づく。
話題作りを兼ねて声優が本業でないタレントや役者を起用するとしばしば違和感を与えがちだが、それが独特の雰囲気を作り上げることがあるのも事実。いわゆる「オタク向け」ではない、一般の観客に対するアピールであろうが、実際にはどのような効果を上げるのか見守りたい。
ブッダという題材や、「巨匠の名作をアニメ化!」ということに対する周囲の期待やプレッシャーは大きいだろうが、多少の毒があってもいいから純粋にエンターテインメントとして楽しめる作品に仕上げて欲しいところ。

構想は全三部作の予定で、第一部の公開は2011年5月28日。

【関連URL】
・『手塚治虫のブッダ 赤い砂漠よ!美しく』公式サイト
http://wwws.warnerbros.co.jp/buddha/

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