平成元年に「第35回小学館漫画賞」を受賞した名作の続編となる『うっちゃれ五所瓦 粘り腰編』(なかいま強)の連載が始まりました。
【次号予告】
高校相撲マンガの傑作が、
大相撲を舞台として――32年ぶりに帰還!『うっちゃれ五所瓦 粘り腰編』なかいま強
新連載・巻頭カラー!ビッグコミック3号、1/25(水)ごろ発売! pic.twitter.com/13HwwUqg7F
— ビッグコミック編集部 (@bigcomic_mg) January 23, 2023
前作『うっちゃれ五所瓦』は1988(昭和63)年から1991年に小学館「週刊少年サンデー」にて連載。廃部寸前の高校相撲部に所属する主人公が、仲間を集めて強豪に挑む様子が描かれました。つまり約30年前の作品なんですね。ただし今回の連載では前作の約15年後の世界を描いており、主人公らが成人していることもあってか、青年誌である小学館「ビッグコミック」掲載となっています。
第一話では主人公の五所瓦角(ごしょがわら かく)が5月場所で13勝2敗の好成績を上げて、大関に昇進した様子が描かれました。さらに奥さんが妊娠3カ月となっていることも電撃報告!まさに二重の喜びですね。
ここで「ちょっと昇進が遅いんじゃないの?」と思った人は相撲通。前作で高校3年生だった五所瓦ですので、本作ではおそらく33歳。30歳を越えたら引退する力士も多いのが相撲界です。作中では同部屋力士の説明的な心情で、サラッと2度も大けがをしたことで大関昇進を逃したと明かされていることから、連載が進めばその辺りが詳しく描かれるかもしれません。
そして気になるのは、かつての仲間達です。2話にて団体戦でともに戦った4人の近況を描いています。
今夜もうっちゃれ五所瓦。
なかいま強先生の描くキャラクターは本当に素晴らしい。
対戦相手の他校の丙午、アントニオ、田門etcもめっちゃいいけど、主人公&チームメイトの五所瓦・清川・難野・関内・雷電のバランスがもう最高すぎるぜ(^o^) pic.twitter.com/avy1SBis6Y— ヨンディス (@WhiteAudley) April 17, 2018
まず柔道部の清川薫(きよかわ かおる)は柔道家として活躍しており、世界選手権で銀メダルを獲得しています。しかし更なる目標としてオリンピックなどを目指していたところに、五所瓦の大関昇進のニュースを聞いて、一層奮起しています。
次にレスリング部の関内孝之(かんない たかゆき)は勾玉マスク(MTM)のリングネームでプロレスラーとして活躍。ただし、実績はいま一つらしく、彼も五所瓦の大関昇進の新聞記事を読んで、一からの出直しを決めています。そして囲碁部の雷電五郎(らいでん ごろう)は、何と神奈川県警で警察官となり、派出所勤務となっています。……なぜなんでしょうね。そうした気配は、みじんもなかったと思うのですが。まあそんな彼も五所瓦の大関昇進を聞いて喜んでいました。
さて残ったのは応援団所属だった難野一平(なんの いっぺい)です。“硬派”が大好きだった彼は、鳳凰本舗で営業マンとしてバリバリ活躍しています。と書くと良さげに聞こえますが、つまるところ駄菓子メーカーの平社員で、上司と取引先に挟まれて四苦八苦の毎日なわけです。そんな彼でしたが、五所瓦の大関昇進のニュースを目にして、「オレは社長になる!!硬派に生きるぜ!!」と宣言しています。まあ、ギャグメーカー健在です。
その他にもあくの強いキャラクターが大勢いましたが、15年後の彼らの登場も待たれます。八百長問題やら年寄株問題など閉鎖的な体制が続く相撲界。漫画の中くらいはスカッと爽快な流れが欲しいなと。口下手ながらも実直な五所瓦が、ドロドロの相撲界をどうかき回していくのか見ものです。
スポーツ漫画あるある #うっちゃれ五所瓦 pic.twitter.com/j63Wb2vW50
— かびーにょ (@501Kabi) May 23, 2018
なお前作でライバルだった田門泰造(たもん たいぞう)は一足先に横綱になっているばかりでなく、優勝19回目(うち全勝優勝4回)の実績を誇っています。まさに大横綱です。その田門に、「いつだ?」と聞かれた五所瓦は、「来場所あたり、千秋楽で」と答えています。ってことは、7月(名古屋)場所までの2カ月ほどをじっくりと描くのでしょうか。それともその先も描かれるのでしょうか。今後の展開が楽しみです。
【作品データ】
作品:うっちゃれ五所瓦
作者:なかいま強
連載:小学館「週刊少年サンデー」
刊行状況:全12巻
【作品データ】
作品:うっちゃれ五所瓦 粘り腰編
作者:なかいま強
連載:小学館「ビッグコミック」
刊行状況:未定