ねじまきカギュー(1) (ヤングジャンプコミックス)

恋せよ乙女、そして戦え!『ねじまきカギュー』

ねじまきカギュー(1) (ヤングジャンプコミックス) 【あらすじ】
新米高校教師・葱沢鴨(ねぎさわかも)は、「怪物系女子」に好かれる女難体質の持ち主。「強い・怖い・危ない」ヤンデレ女子達に追い回されて、波瀾万丈の日々を送っていたある日、彼の前に謎の美少女・鉤生十兵衛(かぎゅうじゅうべえ)が現れる。伝説の秘拳「南家螺旋巻拳(なんけねじまきけん)」の達人と名乗る十兵衛は、「カモ先生を守る」と宣言。彼女は次々と現れる恋敵を退けることができるのか?そしてカモ先生との恋の行方は――!?

【みどころ】
フランスの小説家、ロマン・ロランは「恋は決闘である」という名言を残しました。その言葉通り、傷つくこともいとわず、よそ見をすることも許されず、一人の相手を求める熾烈な戦いに、乙女達が火花を散らす漫画があります。集英社「ヤングジャンプ」で連載中の『ねじまきカギュー』です。

作者の中山敦支氏は、週刊少年サンデーで『トラウマイスタ』を連載した後、集英社に活動の場を移し、複数の作品を発表。本作は作者初の青年誌掲載ですが、連載開始以降は順調に巻を重ね、2011年に『この漫画がすごい!』オトコ漫画部門16位を獲得するなど、今、最もホットな漫画のひとつに成長しています。

「究極の女難体質」を持つ草食系男子・カモ先生と、彼に一途な想いを寄せる天然気質の美少女・鉤生十兵衛(カギューちゃん)。二人の前には、恋にトチ狂ったヤンデレさんたちが次々と登場します。「何でも切り裂く鉄のしおりを、文庫本に挟んで携帯する文学少女」とか「300万ボルトの電撃トンファーを常備する学級委員長」とか「桁外れの記憶力で敵の攻撃を見切るカルタ部の部長」など、強烈な個性を持つ彼女らと、カギューちゃんのバトルも本作の見所です。大ゴマや効果線を多用した画面、敵意や怒り、絶望といった負の表情のグロテスクさなど、漫画ならではの強烈なビジュアルで、読者の目を惹きつけます。

しかし、この漫画の最大の魅力は、やはりカギューちゃんの「かわいさ」に尽きるでしょう。拳法の達人として無敵の強さを誇る彼女も、中身は純真無垢な女の子。転校早々の自己紹介で「将来の夢は、カ……カモ先生のお嫁さんになること!」と言って頬を染めたり、制服姿をカモ先生に褒められれば真っ赤になって逃げ出したり、と、漢らしさと乙女らしさの二面性を持つヒロインの活躍に「ああ、まさにキュン死にしそう」(出典:理事長)となること請け合いです。

恋する乙女とバトル活劇、異なる2つの要素が、狂気を媒介に融合した本作。「最近、面白い恋愛漫画を読んでいない」という方はぜひオススメです。

【作品データ】
・作者:中山敦支
・出版社:集英社
・刊行状況:4巻まで(続刊)

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