【ご当地漫画紹介第6回・神奈川県】『鎌倉ものがたり』『あおざくら 防衛大学校物語』

気まぐれ連載、ご当地漫画を紹介する第6回の舞台は神奈川県です。東京の隣でもあるため、たくさんの漫画の舞台となっており、その中から『鎌倉ものがたり』(西岸 良平)と『あおざくら 防衛大学校物語』(二階堂 ヒカル)を紹介します。

双葉社「まんがタウン」で好評連載中の『鎌倉ものがたり』。2017年に堺雅人さん、高畑充希さん、堤真一さんらのキャストで映画化されたこともあって、ご存じの人も多いはず。個人的には映画版の第2弾をそろそろ作ってくれないかなと思っているのですが……どうなんでしょうね。

本作はタイトル通り、神奈川県鎌倉市を舞台としています。ただし現在の鎌倉かと言えば、やや異るようで、時代的には昭和の50年代を描いている感じ。あまり現代的なメディアなども出てきませんし、読んでいてちょっと懐かしく思う人もいるはず。さらに主人公達が神奈川どころか現代日本をすっ飛ばして、魔界に紛れ込んでしまうこともあります。まあそれも鎌倉の土地柄としておきましょう。

そんな作品の主人公は、ミステリー作家の一色正和(いっしき まさかず)です。彼の自宅は神奈川県鎌倉市長谷1丁目とのこと。鎌倉自体も文学の町ではありますし、この辺りには川端康成記念会や鎌倉文学館もあるので、“らしい”場所とも言えますね。

さて、『鎌倉ものがたり』の作者である西岸先生が2022年9月に画業50周年を迎えられました。コミック購入者を対象にプレゼントキャンペーンを行っている双葉社サイト(https://www.futabasha.co.jp/kamakura/)では、先生のコメントを掲載しています。それによると、「新人のくせに締め切りを遅らせるのは手塚治虫先生なみ」なんてこともあったのだとか。ただし改めてウィキペディアを見ると、1947年7月30日生まれの75歳!なんですね。画業50年なら、それも当然ですが、くれぐれもお体を大事になさってください。

続いて、小学館「週刊少年サンデー」にて好評連載中の『あおざくら 防衛大学校物語』(二階堂 ヒカル)です。こちらもタイトルにあるように、自衛隊の幹部養成を目的とした防衛大学校を舞台とした作品。その防衛大学校が神奈川県横須賀市にあるため、横須賀を中心に神奈川県のあちらこちらが登場します。

過去記事に「『あおざくら 防衛大学校物語』が実写ドラマ&舞台化!」(http://comic-candy.com/archives/17219)、「「合コン小付」の異名は伊達じゃない!『あおざくら 防衛大学校物語』」(http://comic-candy.com/archives/16282)もあるので、ぜひどうぞ。

本作で主人公となるのが、防衛大学生の近藤勇美(こんどう いさみ)。進学を希望していた彼が、実家の窮状を勘案して無償で進学できるどころか、公務員扱いで給料も貰える防衛大学校に進学を決めたところから話が始まります。「奨学金を貰えば良かったのに……」なんて言うのはヤボですね。その近藤ら学生が週末に電車で出かけたり飲み会をしたりすることから、横浜近隣も多く描かれています。

2019年には毎日放送「ドラマ特区」でドラマ化。本郷奏多さん、結木滉星さん、高崎翔太さんらのキャストで男子学生をメインに放送されました。翌2020年には、ほぼ同じキャストで舞台化され……る予定だったのですが、新型コロナの影響で自粛(中止)となりました。うーん、残念。そろそろコロナも落ち着いてきたことですし、第2弾などいかがでしょうか。

ただし気になることもあります。二階堂先生のツイートによると、「(あおざくら 防衛大学校物語は)取材量がハンパない」とのこと。さらにサンデーバックステージの二階堂先生(https://websunday.net/author/667/)が直近に掲載した2021年9月15日には「(2回目のワクチン摂取の)副反応で熱が出てくらくらして何もできず静かに寝て過ごしました」とあります。書かれている内容も気になりますし、バックステージの投稿は1年以上も開いてしまいました。サンデー本誌の作者コメントは掲載されているのでご無事とは思うのですが、くれぐれもご用心ください。

【作品データ】
作品:鎌倉ものがたり
作者:西岸 良平
連載:双葉社「まんがタウン」連載中
刊行状況:1~36巻発売中、以下続刊

【作品データ】
作品:あおざくら 防衛大学校物語
作者:二階堂 ヒカル
連載:小学館「週刊少年サンデー」連載中
刊行状況:1~25巻発売中、以下続刊