子供と大人の視点で描かれた女3人の恋愛物語『姉の友人』

「十人十色」という言葉があるように、顔が違うように志向も異なります。恋も同じできれいごとになびいて付き合い始める人もいれば、何も感じないどころか嫌がる人もいるでしょう。

また、気持ちを言葉にすることをためらったり間違えたりすると、その恋は一気に壊れてしまうかもしれません。それはLGBTQの恋愛でも同じことです。今回は、女性3人の複雑な恋愛感情を描いた、ばったん先生の『姉の友人』を紹介します。

本作は、初めて本当の恋を知った女3人が登場。それぞれの立場から、複雑な恋愛感情を描いた5本の短編が収められた作品です。

  • 姉の友人
  • 私の友人
  • あたしの好きな人
  • 姉の友人-3 years later-
  • AFTER

タイトルにもなっている『姉の友人』では、姉の元親友・今日子と合っているるり子(中学2年生)が描かれています。

『私の友人』ではナッちゃん(るり子の姉)、『あたしの好きな人』では今日子、『姉の友人-3 years later-』では高校生になったるり子、『AFTER』では今日子となっちゃんを除いた、りゅうのすけを含む3人のその後を描いています。

『姉の友人』のるり子は中学2年生で、今日子から見たらまだまだ子供。しかし、るり子から見ると「大人のいいオンナ」という存在です。

るり子にとっては、初恋とも憧れともつかぬ感情を持つことで「恋」の意味を知っていき、今日子とナッちゃんの恋愛が描かれた『私の友人』と『あたしの好きな人』では、ナッちゃんを選ばずにりゅうのすけを選んだ後悔と嫉妬が表現されています。

いい香りがする絵柄と大人の女性の色気が好きな人に、ぜひおすすめしたい作品です。

トーチWEBで試し読みができるので、ぜひご覧ください。

【作品データ】
作者:ばったん
出版社:リイド社
刊行状況:全1巻