蘇る感動!『鋼の錬金術師20th ANNIVERSARY BOOK』

【あらすじ】
読んだことがなくてもそのタイトルは誰でも知っているであろう『鋼の錬金術師』が、連載開始から20周年を迎えた。
2001年7月から2010年6月にかけて、全108話にわたって「月刊少年ガンガン」に連載された本作。単行本は27冊になり、後に刊行された完全版では18巻にまとめられている。
TVアニメや劇場版アニメも多数制作された。
2021年12月に生誕20周年を記念してメモリアルブックが刊行。
今回はそれを紹介したい。

【みどころ】
『鋼の錬金術師』本作の物語は、亡くした母を生き返らせようと幼い知識で禁忌の錬金術に挑んだエドワード・エルリックとアルフォンス・エルリック兄弟が、失った弟の肉体と兄の右腕と左足を取り戻すため、「賢者の石」と呼ばれるものを探しに度に出るという冒険譚だ。

その途中で人の役に立ったり、不穏な事件に巻き込まれたりする。
そしてさらにその背後では、国家で何やらおぞましい企みが行われているらしいという、二重三重にエピソードが重なり合った、読み応えのある作品となっている。

『鋼の錬金術師20th ANNIVERSARY BOOK』では、20年間の歩みを振り返るとともに、作者が各メディアへ描き下ろした外伝コミックやイラストを一挙収録!
ファンならぜひとも持っておきたい集大成本だ。

収録されている漫画はどれも今読んでも面白く懐かしい。
「もしも○○だったら」などのお決まりのコーナーもあり、特に「雨の日は無能」のマスタング大佐がいじられるのは相変わらずだ。
ラストには軍を退役後、実家の雑貨屋で過ごすハボックのショートストーリーが完全書き下ろしで収録されているのも見逃せない!

20周年を記念した「鋼の錬金術師展RETURNS」のイベントについてはこちらの記事を参照されたし。
30周年にも何かサプライズがあることを期待したい本作だ。
そしてまた本作の単行本に手が伸びるのである。『鋼の錬金術師』は本当に面白い!!

【作品データ】
・作者:荒川弘
・出版社:スクウェア・エニックス
・刊行状況:全1巻