落語を聞いたことのない人におすすめしたい落語マンガ『ギャルが落語家に恋したら』

日本の伝統芸能の中でも、もっとも間口の広い芸能のひとつでもある落語。現在は、東京(江戸)と大阪(上方)合わせて800人の落語家がいて、都内では1日1,000件近くの落語会が開催されるなど空前の落語ブームが続いています。

落語をテーマにしたマンガはいくつかありますが、その中でも特に気軽に読めるものとしておすすめしたいのが、一色美穂先生の『ギャルが落語家に恋したら』という作品です。本作は、芳文社「まんがタイムジャンボ」連載の『寄席ばいいのに』を改題して単行本化されました。

イマドキギャル(女子高生)の銀子が、本作の主人公です。彼女はたまたま立ち寄った寄席で恋に落ちます。その相手は、新進気鋭のイケメン噺家の新橋。

そのイケメンの彼に近づくため、落語が好きなジジ専の同級生の小路に落語を教えてもらい、本格的に寄席へ通いはじめる過程を描いた物語です。

本作のおすすめポイントは、「まんじゅうこわい」など古典の名作と呼ばれる演目をところどころに散りばめている点にあります。実際、さまざまな噺が取り上げられており、それが帯で確認できるので、初心者でも簡単に調べられるでしょう。

また、同級生(小路)の解説も的確で、「これなら初心者でも興味が湧きそう」と思わせてくれます。1巻しか発売されていないのが残念ですが、落語をあまり知らない人におすすめします。

作者の一色美穂先生もかなりの落語好きなので、また続編を描いてもらいたいですね。

【作品データ】
・作者:一色美穂
・出版社:芳文社(まんがタイムコミックス)
・刊行状況:全1巻