五輪金メダリストの実話をもとにした柔道マンガの傑作『JJM 女子柔道部物語』

オリンピックで日本人がメダルを期待される競技といえば、多くの人が「柔道」と答えるのではないでしょうか。実際、1964年の東京で男子、1992年のバルセロナで女子が正式種目になって以降、金メダルは最多の39個、銀・銅を含めた総数では体操(98個)に次ぐ84個のメダルを獲得しています。

それにちなみ今回紹介するのは、1996年アトランタオリンピック女子61キロ級で日本女子初の金メダルを獲得した恵本裕子さん原作、小林まこと先生が構成・作画を担当する『JJM 女子柔道部物語』です。コミックスの累計発行部数は、紙・電子あわせて140万部を突破しています。

主人公は、原作者の恵本裕子さんをモチーフにした神楽えも。高校編の舞台は北海道のカムイ南高校です。物語は95年の幕張世界選手権にて、わずか11秒で一本負けするところから始まります。そこから柔道に出会う高校時代を回想するという流れです。

各種インタビューなどで小林先生本人が、「ほぼ原作者の実話であることに間違いない」と語っているので、これから社会人時代~オリンピックでの活躍が描かれていくのではないでしょうか。

小林先生の作風の魅力は、熱血さとギャグシーンのギャップです。これらは、本作でも大いに発揮されています。代表作の『What’s Michael?』などでも見られましたが、『劇画・長谷川伸シリーズ』を4作描いたことで、よりその色が強くなったといえるでしょう。

小林先生作品のファンは根強く、固定ファンもたくさんいます。今後の展開が非常に楽しみですね。

【作品データ】
・作画:小林まこと
・原作:恵本裕子
・出版社:講談社(イブニングKC)
・刊行状況:既刊13巻(以下、続刊)