3月には舞台化決定! 青春をかけて芸術大学への進学を目指す少年の物語『ブルーピリオド』

大学受験は、全国にいる受験生との競争であると同時に、自分自身との争いです。特に、体育系や音楽・美術などの芸術系などといった実技科目の学科は、試験において実技試験を受けるので、そこで差を感じて諦めてしまう人も多いと聞きます。

実際、日本の予備校文化というのは、海外から見るととても異質なものに見えるそうです。そんなひとりの人物が美大を目指す過程を描いた物語が、今回ご紹介する『ブルーピリオド』。2021年秋にアニメ化され、今年3月には舞台化も決まっているほどの人気作です。

主人公は、どこにでもいそうな矢口八虎。彼は友人たちと徹夜で酒を飲み、タバコを嗜む不良の一面がありながら、成績は常に学年トップクラスの優等生です。ノルマをこなすように勉強や人付き合いをしている反面、何をやっても達成感を得られず、退屈な日々を過ごしていました。

そんな彼が、美術室で美術部部長が描いた一枚の絵に出会い、美術への道に走り出します。

筆者が本作を読んでもっとも感銘したセリフは「どんなに技術があっても、情熱がないと心に響かない」という、美術部顧問の佐伯先生のセリフです。彼は、顧問の一言がキッカケで美術部に入り、東京藝術大学を志望します。

「美術」と聞くと、文化的な活動というように決めつけてしまいがちです。しかし一枚の作品を描き上げる裏側を知ると、肉体労働的な一面もあり、一種のスポ根ものであることがわかります。

実際に東京藝術大学を目指し、卒業なさった山口つばさ先生の『ブルーピリオド』を読むと、考え方やものの見方が広がることは間違いないでしょう。

【作品データ】
作者:山口つばさ
出版社:講談社(月刊アフタヌーン)
刊行状況:既刊11巻