自分と向き合うことの大切さを教えてくれる『ハチミツとクローバー』

「十人十色」という言葉があるように、人の持っている才能はさまざまです。中には、常人に想像もつかないような才能を発揮する人もいます。その陰で、圧倒的な才能を見せつけられることで、迷ってしまう人も多くいるでしょう。

今回ご紹介する、羽海野チカ先生の『ハチミツとクローバー』(以下、『ハチクロ』)は、美術大学を舞台にした作品です。本作では、才能を持つ者たちが集まる美大で、報われない恋模様、自身の才能・生き方に疑問を持ち、これからの進路・苦悩と向き合う姿が描かれています。

大学から徒歩10分のところにある、竹本、森田、真山らが住んでいるアパートから物語がスタート。主人公は、浜田山美術大学の建築家に所属する竹本祐太。メインヒロインは、どこかあどけなさが残る花本はぐみです。

この二人を軸に、先輩の真山、有り余る才能を持ちながらそれを持て余している森田、もうひとりのヒロインでもある山田あゆみが絡んで、物語が展開されます。

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『ハチクロ』に出てくるキャラクターは、みんな何らかの才能を持っています。しかし、なぜか恋愛には不器用な人たちばかり。メインヒロインのはぐみは、油絵では数々の大作を手がけるなどの才能を発揮しますが、好きな人の前では何も言えなくなるほどの乙女心が見られます。

本作の魅力は2点です。

1. 10代~20代の自身の才能に気づいていない、子供から大人になりかけている若者が、不器用ながらも自らの人生に向き合っていること。

2. 「必ずしも報われるとは限らない」と知りながら、その人なりの答えを見つけようとしている点です。

それを影から支える、花本修司をはじめとした大人たちも、含蓄のある言葉を発します。。

2005年にアニメの第1期、翌年の2006年に第2期が放映、同年には映画化、2008年にはドラマにもなった『ハチクロ』。いい意味で少女マンガっぽくない作品なので、男性でも最後まで読み切れる作品です。

https://twitter.com/mohno/status/1476405881223127041

【作品データ】
作画:羽海野チカ
出版社:集英社
刊行状況:全11巻