読んで笑える!絵を見て笑える! 古川柳を紹介するマンガ『マンガ 爆笑!落語川柳ギャグ辞典』

寄席の最後に行われる余興演芸のひとつが大喜利で、他にもさまざまな余興芸があります。これらも落語とは相性がいいですが、実はもっと身近に相性抜群なものがあることをご存知でしょうか。

それが川柳でありマンガです。川柳は俳句と同じく、五七五の17文字で表現します。よく落語家がその噺に合った川柳を詠んでいるのを聞いたことがあるでしょう。実際に江戸後期には川柳マンガがブームになりましたが、これを現代風にしたものが高信太郎先生の『マンガ 爆笑!落語川柳ギャグ辞典』です。

もともとは「前句付け」でしたが、その選者だった柄井川柳の名前より取られたと言われている川柳。現代でもその人気は根強く、雑誌・新聞にもコーナーがありますし、「サラリーマン川柳」なども人気がありますね。

一方、「古川柳」と呼ばれるのが江戸川柳。川柳が根強い人気を誇る中で、忘れ去られているという印象が残ります。この古川柳をテーマとして、五十音順に取り上げた言葉に沿った古川柳を紹介していくという流れです。

1コマ~2コマで終わりますし、絵はあくまでもその作品を説明する目的で添えられていることもあり、大変にシンプルな絵柄をしています。読んで笑えて、絵を見て笑う。まさしく一石二鳥ならぬ三鳥の作品といえるでしょう。

落語・川柳が好きな人はもちろん、笑いを求めている人におすすめします。

【作品データ】
作者:高信太郎
出版社:CLAP
刊行状況:全1巻