アラサー女子が家計簿をつけて仕事と生活を立て直していく物語『派遣社員あすみの家計簿@comic』

「結婚したら(専業主婦になって)、ぼくの収入は好きに使っていいよ」なんて言われたら、皆さんはどう思いますか? 強いキャリア志向を持つ人でも、自分の収入(月給)をほぼ自分の好きに使えるので嬉しいと思うのではないでしょうか。

もっともそれが真っ赤なウソだったらたまったものではないと思いますが……。そんな結婚にだまされた女性の仕事と恋の立て直し物語が、今回ご紹介する『派遣社員あすみの家計簿@comic』です。本作は、『これは経費で落ちません!』でおなじみの青木祐子先生が書いた小説『派遣社員あすみの家計簿』を原作として、雨野さやか先生がコミカライズしました。

主人公は28歳の会社員、藤本あすみ。彼女は大手繊維メーカーの正社員で、事務の仕事をしていました。自称飲食店社長の理空也とつきあっていたのですが、結婚を約束して寿退社したその日、彼は姿を消してしまいます。

贅沢三昧だったあすみの通帳残高は、わずか428円。ピンチに陥って親友の仁子に相談しますが、彼女から説教され家計簿をつけることをすすめられて一念発起。ルーズな生活をしていたアラサー女子あすみが、自分を立て直すという物語です。

小説版の評判も上々で、ストーリーが面白いのはいうまでもありません。小説版を読んだあとでコミック版を読み返してみると、雨野さやか先生が描くキャラクターの可愛さが魅力をさらにひきたてます。

作中には食費の抑え方や、給料日前のピンチを凌ぐための節約技も載っているので、参考になる部分も満載です。

本作は小学館の裏サンデーで掲載。マンガワンというアプリでも読むことができるので、電子版で買うか紙で買うか迷うところ。私は紙版で購入しましたが、作画を担当した雨野先生の繊細なタッチとそれを見た原作者でもある青木先生の笑顔が浮かんできました。

どちらで購入しても楽しめる作品だと思いますが、個人的には紙版がおすすめです。

【作品データ】
・原作:青木祐子
・作画:雨野さやか
・出版社:小学館(裏サンデー
・刊行状況:既刊1巻(以下続刊)
※文庫版は小学館文庫(キャラブン!)より2巻まで刊行