筆者の私ことなつめれいなは本が好きで、雑誌・まんがを含めて年間で約1,000冊は読んでいます。その中で、最近増えているものが古典文学や学術書をまんがで解説したシリーズです。
主に読んでいるのは、Teamバンミカスがイースト・プレスという出版社から出した『まんがで読破』シリーズです。古今東西の名作をたくさん取り揃えているので、読んでいて飽きることがありません。その中から、今回は『まんがで読破 名作古典落語』をご紹介させていただきます。
落語とは江戸時代初期に成立した話芸で、庶民の娯楽として語り継がれている芸能です。本作では全部で6編の噺が収められています。
- 寿限無
- 死神
- 目黒のさんま
- 子別れ
- 時そば
- 芝浜
落語の噺には世界観がありますが、これをどう表現するかは噺家次第です。一方、その表現したものをどう受け取るかは見ている人の感性によります。そのため、噺として取り上げるにしろ、まんがで表すにしろ、感性が試されるものともいえるでしょう。
本作の絵柄を見たところ、それぞれの噺の世界観から、登場人物のキャラクターや口調まで、うまく表現されているという印象を持ちました。
もともと落語というのは噺を知らなくても楽しめますが、知っていればよりおもしろくなるものでもあります。聞いたことがない人にとっては落語を知る取りかかりとして、よく寄席に行っている人にとっては噺をより深く知るための資料として持っておいて損がない作品といえるでしょう。
【作品データ】
・企画・作画:Teamバンミカス
・出版社:イースト・プレス
・刊行状況:全1巻