【ご当地漫画紹介・沖縄県】『南風原カーリングストーンズ』『海色マーチ』

前回は北の大地、北海道を取り上げたご当地漫画紹介の第3回は南国の沖縄県から『南風原カーリングストーンズ』(なかいま強)と『海色マーチ』(ミナミト)を紹介します。

小学館「ビッグコミック」で連載中の『南風原カーリングストーンズ』は、タイトル通りに“南風原”で“カーリング”をテーマとしています。さて、皆さんは“南風原”って読めるでしょうか。“みなみかぜはら”や“なんぷうげん”ではなく“はえばる”と読みます。沖縄県の中南部に位置する南風原町には「スポーツワールドサザンヒル」というスポーツ施設があり、そこでは沖縄県で唯一通年運営しているアイススケートリンクがあるんです。「ああ、それで」と本作の内容につながります。

物語は、北海道で女子カーリング選手として活躍していた二風谷直歩(にぶたに なほ)が、沖縄に来るところから始まります。まっすぐな性格ゆえにチームと衝突を起こしたためですが、へこたれない直歩は南国沖縄でカーリングチーム作りから始めていきます。もちろんすんなりメンバーが揃うわけもなく、一癖も二癖もあるメンバーによってチーム“南風原(はえばる)カーリングストーンズ”が結成されます。


『わたるがぴゅん!』『うっちゃれ五所瓦』『黄金のラフ~草太のスタンス~』などの傑作を発表してきたなかいま先生。いずれもスポーツをテーマにした作品ながら、隙あればギャグを混ぜ込んできます。個人的には『ライスショルダー』に登場した韓国人ボクサーの名前がツボでした。どんな名前かは作品を読んで欲しいところ。

さて『南風原カーリングストーンズ』は、小学生チームとの対決を経て、九州大会に出場します。「沖縄にもだけど、九州にカーリングチームってあるの?」と思う人もいるでしょう。47都道府県の全てではありませんが、九州には福岡と熊本にカーリング協会があります。京都や愛媛、広島などと西日本大会を行い、全日本大会へ……となっているようです。そしてゆくゆくは冬季オリンピックへ、となるかもしれませんので、それを楽しみに読み進めたいですね。

続いて芳文社「まんがタイムきらら」にて連載していた『海色マーチ』です。こちらの舞台は沖縄県にある小さな島の宇御島で、おそらくは奥武島がモデルと思われます。埼玉県から引っ越してきた少女が、海に人にといろんな出会いを重ねていく物語です。

主人公は中学二年生の小波周(さざなみ あまね)。海に隣接していない埼玉県出身だったことから、周囲が海また海の宇御島に移り住んだことで、大小いろんなカルチャーショックに襲われます。持ち前の好奇心でカルチャーギャップを飲み込んだ周は海の魅力にとりこになっていきます。


“ドタバタマリンコメディ”のあおり文句がある本作。周の友達であり生まれも育ちも沖縄の比屋定珊瑚(ひやじょう さんご)との掛け合いが面白いです。釣りに行ってたまたま釣れなかった珊瑚に、周が釣りのコツを教えようとするところは珊瑚がムカッとするのも当然ですが、読んでいる方は「お約束だな」と。そんなやり取りは周が海についてよく知らない面があるからこそでもあり、それが原因で無くしものをしたり、ちょっと危ない目に合ったりすることもあります。それを助けるのも珊瑚なんですよね。

2018年のゲスト掲載から本格連載となった本作。あふれんばかりの自然と可愛い主人公達、そしてコメディー含みで海に関して実用的な面もあった4コマ漫画として人気があったと思うのですが、単行本の売れ行きが芳しくなかったのか2020年に連載は終了。単行本は全2巻に留まっています。しかし現在ミナミト先生は同誌にて新たに『ほぐして、癒衣さん。』を連載中。作品の舞台こそ都内らしいのですが、チラッと沖縄料理の居酒屋が出てきました。今後も新たな沖縄ネタを期待したいものです。

【作品データ】
作品:『南風原カーリングストーンズ』
作者:なかいま強
連載:小学館「ビッグコミック」連載中
刊行状況:1~5巻発売中、以下続刊

【作品データ】
作品:『海色マーチ』
作者:ミナミト
連載:芳文社「まんがタイムきらら」連載
刊行状況:全2巻