40年ぶりに復活!ちばあきお先生が描いた名作の続編『キャプテン2』

今回ご紹介する『キャプテン2』の原点となる『キャプテン』は、連載終了後の1980年に単発でアニメ化がなされたのを皮切りに、1981年には劇場アニメが、1983年にはテレビシリーズが放映されるなどの反響があった名作野球マンガです。
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『キャプテン』には続編を期待する声が多く寄せられましたが、1984年に作者のちばあきお先生が急逝したこともあり「もう続編は望めない。叶わぬ夢」と言われていた作品でした。ところが、幼少期から同作のファンだったコージィ城倉先生が40年ぶりに続編として『キャプテン2』を描くことになったのです。

『キャプテン』は根強いファンが多い作品なので、続編を執筆するにあたっては大きなプレッシャーがあったことでしょう。それでも、こうして書いてくださっていることにただただ感謝しなければなりません。

『キャプテン2』も『プレイボール2』と同じく、前作のラストを引き継いでいます。春の大会にて準々決勝敗退後、夏の大会に向けて練習するところからスタートです。ちばあきお先生が描いた作品と見比べてみると、脇役のキャラは若干絵柄が変わっているように見えるものの、近藤や牧野、JOY、丸井などの主要キャラクターは見事なまでにオリジナルの絵柄を再現しています。

コージィ城倉先生もインタビューで語っているとおり、「何も足さない。何も引かない」ことを基本としているのでしょう。

なお、前作では連日の猛特訓とそれに耐え抜く部員がテーマでした。しかし昨今の風潮を意識してか、本作は「文武両道」で学業にも力を入れている描写が見られます。この点は、前作のファンにとっては少し違和感を抱くところかもしれません。

これも部活動をしている学生に「学業と両立しよう」というメッセージと捉えれば、納得できるのではないでしょうか。

本作は当初、「グランドジャンプむちゃ」(隔月刊誌)にて2019年5月号より連載されました。そして現在は併載していた『プレイボール2』が連載終了したこともあり、第14話から「グランドジャンプ」に移籍して連載中です。

今後の作品の展開にも注目していきましょう。

【作品データ】
・作者:コージィ城倉
・原案:ちばあきお
・出版社:集英社
・刊行状況:既刊1巻