TOKYO-MXやBS11などで、4月から放送されたアニメ『迷い猫オーバーラン!』も今週の12話を持って本編は終了し、次回は総集編となる。
原作はスーパーダッシュ文庫から発行されている大人気ライトノベル『迷い猫オーバーラン!』(作者/松 智洋 イラスト/ぺこ)。現在8巻まで発売され、累計売上は100万部を突破している。
また、矢吹健太朗氏によりコミカライズ化もされ、現在もジャンプSQ.で連載中。コミックス第1巻も4月に発売された。
~あらすじ~
主人公・都築巧は義理の姉・都築乙女が営む「洋菓子専門店ストレイキャッツ」を手伝いながら暮らしていた。そこへに乙女が拾ってきた謎の美少女・霧谷希がやってくるところから物語はスタートする。
ストレイキャッツでバイトしている幼馴染のツンデレ・芹沢文乃、梅ノ森家の令嬢であるスーパーセレブ・梅ノ森千世、親友でオタクの菊池家康などキャラの立った面々が、巧を中心に忙しなくラブコメを繰り広げていく。
記事タイトルに書いたように、今作のアニメでは原作にとらわれないストーリーを展開している部分がある。その一部を紹介しよう。
■第7話「迷い猫、乗った」
この回では、主人公達が作ったサークル「迷い猫同好会」で制作した戦隊ロボ「勇者超人 グランブレイバー」が1話まるまるを使って放送された。
番組冒頭でいきなり戦隊ロボアニメが始まり、一話全てそれをやりぬく発想はかなり斬新である。もちろん、オープニング、エンディングも「勇者超人 グランブレイバー」版が作られ、さらにはロボが合体するときにも、オリジナルの歌が使われた。しかも、エンドロールには「サンライズ」の文字……。
■第8話「迷い猫、抜いた」
簡単に言えば、ジェンガを本気でやっているだけに1話を割いている。
監督は小野学氏を起用し、彼が手懸けたアニメ『咲 -Saki-』のパロディのようになっているのだ。
上記のように一般的なアニメではちょっと考えられないような演出が随所に盛り込まれている。
巧や文乃は両親のいない孤児という設定で、社会的に厳しい立場に置かれた彼らの心境や家族の重みなどのシリアスな部分とコメディの部分が織り合って、笑いあり涙ありの作品となっている。
表現媒体の違いは、読者や視聴者の捕え方を変化させる。
それがアニメ化やコミカライズ化の面白いところであるし、難しいところかもしれない。確かに原作通りにすれば何もかもいいのかと問われれば、それは新たな媒体での挑戦を殺すことになる。
今回のアニメ『迷い猫オーバーラン!』は笑いに重きをおいた結果なのか、媒体の違いによるものだったのかはわからないが──「勇者超人 グランブレイバー」はちょっとやりすぎかな。
【関連URL】
・スーパーダッシュ文庫ホームページ
http://dash.shueisha.co.jp/-mayoineko/
・アニメ公式サイト
http://www.patisserie-straycats.com/
・小学館プロダクションライセンスビジネスサイト
http://license-new.shopro.co.jp/products/detail/68