アニメ化進行中『ぼっち・ざ・ろっく!』は『けいおん!』を超えられるか?

引っ込みがちな女の子がロックバンドをきっかけに人気者になっていく。「そんな漫画みたいな」と思いたくなる4コマ漫画が、芳文社「まんがタイムきららMAX」にて好評連載中の『ぼっち・ざ・ろっく!』(はまじあき)です。

主人公である後藤 ひとり(ごとう ひとり)は人見知りをしがちな女の子。今で言う“陰キャ”です。何とか人の輪に入れた時でも、空気を読めずに滑ってしまったり空気を読みすぎて暴走したりと黒歴史を重ねています。ただし父親の影響もあってギター演奏に熱中したことから、動画投稿サイトでは“ギターヒーロー”のハンドルネームで大好評を博しているんですね。

ひとりは「その勢いで…」と高校デビューを試みたものの失敗。ただしバンドメンバーを探していた伊地知 虹夏(いじち にじか)から声をかけられたことで、虹夏達が作った“結束バンド”に参加することになります。そんなこんなで音楽仲間やライバルが増えていくのですけれども、すんなりひとりの性格が変わるわけでもなく、黒歴史のページがどんどん増えていきます。

さて、女子高生+バンド、しかも4コマ漫画で思い出すのは『けいおん!』(かきふらい)ですね。姉妹誌「まんがタイムきらら」などで2007年から連載開始。2009年にアニメ化されて大ヒットしました。ローソンを始めとした企業とのコラボや、JR東日本の山手線など走ったラッピング電車を覚えている人も多いはず。ちなみに『けいおん!』のバンド名は“放課後ティータイム”でしたが、本作のバンド名が“結束バンド”なところでもコミカル寄りなところが明らかです。

本作『ぼっち・ざ・ろっく!』は「次にくるマンガ大賞2019」にてコミックス部門の8位にランクインしていました。単行本2巻で終わってしまうきらら作品が多い中、2月25日に最新3巻が発売。それに先んじて2月19日に発売した『まんがタイムきららMAX』4月号でアニメ化が発表。いよいよ“くる”が“きた”になったのかもしれません。それに合わせて4月号では表紙と巻頭カラーにもなっています。冷や汗を浮かべつつ表情の固いひとりが見もの。

今のところ続報はありませんが、5月19日に発売する『まんがタイムきららMAX』5月号では再び本作が表紙と巻頭カラーになることが決まっています。しかも5月号は『まんがタイムきららMAX』通算で200号の記念号でもあるんですよね。編集部の力の入れ具合が分かるかと思います。

直近の連載では、徐々に評判の上がっていった結束バンドが大型フェスに参加できるインターネットの投票でギリギリ滑り込む結果となりました。投票結果、即フェス参加にはならないのですが、それで舞い上がる周囲の様子や喜びつつも戸惑っているひとりの様子がコミカルに描かれています。さて順当にフェスへ出演できるのか。それともどんでん返しが起こるのか。個人的には後者の可能性が高いかなと。そして『ぼっち・ざ・ろっく!』は『けいおん!』を超えられるのか。楽しみに見守りたいと思います。

【作品データ】
作者:はまじあき
連載:芳文社「まんがタイムきららMAX」連載中
刊行状況:1~3巻発売中