日本の食文化における縁の下の力持ち『めんつゆひとり飯』

和食に注目が集まっている今、見逃せない調味料の1つにめんつゆがある。そのめんつゆをこよなく愛する主人公が登場する4コマ漫画が『めんつゆひとり飯』(瀬戸口みづき)だ。


主人公の名前は面堂露(めんどう つゆ)。会社員として働く彼女は一人暮らしをしていることもあって、毎日こまめに自炊をしている。しかし、とにかく楽をしたい一心で彼女がたどり着いた調味料がめんつゆだ。

ご存じの通りめんつゆは、うどん、そば、素麺などの味付けとして考案されたものながら、適度に薄めたり何かを加えたりすることで様々な料理に活用できる。加えてある出汁(だし)の種類にも昆布、カツオ、煮干しなどいろいろなめんつゆがあり、そのまま使うものもあれば、薄めて利用するものもある。

高級なところではあご(トビウオ)出汁のめんつゆも存在する。皆さんは食べたことがあるだろうか。連載当初は比較的簡単な料理が多かったところ、最近になって専門家らとコラボレーションしたような形のメニューも度々登場している。めんつゆの可能性が一段と広まっただけでなく、本作が長期連載に入ったと思って良いだろう。

主人公のライバルであり一番の仲良しでもある社長秘書の十越いりこ、肉とカロリーが大好きな保ヶ辺、ポン酢料理が得意な本栖、庶民生活にあこがれる社長など、濃縮めんつゆ以上に濃ーいメンバーがそろっている。彼らが存在感を発揮することで「めんつゆ凄いぞ」「めんつゆ万歳」に留まっていないところが、本作をさらに面白いものにしている。


さて、竹書房の「まんがライフ」にて好評連載中の本作。なんと4月27日にはオンリー増刊号が発売されるとのこと。作者のツイートによると、描き下ろしなどもあるそうなので楽しみだ。

ひと頃は隔月くらいのペースで4コマ漫画誌の増刊号やセレクション、コレクションなどが発行されていた。しかし出版不況もあって4コマ漫画誌そのものが休刊(廃刊?)し、増刊号なども昨今はめっきり減っている。そんな中でも増刊号が発売されるのは、本作に人気がある証拠だろう。どうせなら、ヤ〇キ、ニ〇ベン、ミツ〇ン、創〇食品あたりがスポンサーになって、本作がアニメやドラマにでもならないかと考えている今日この頃だ。

【作品データ】
作者:瀬戸口みづき
連載:竹書房「まんがライフ」連載中
刊行状況:1~3巻(以下続刊)