前作『フォーシーム』では、日本球界を永久追放同然で追い出された逢坂猛史が、MLB挑戦を表明してからメジャー契約を勝ち取り、レギュラーシーズンでの活躍までを描きました。
今回ご紹介する『フォーシームNEXT』は、ポストシーズン(プレーオフ)に舞台を移し、同じく主人公・逢坂猛史の活躍を描く物語です。
前作では「1回のセーブで1ドル、2回目は2ドル、3回目は4ドルと倍々で増えていき、1度失敗したら元の1ドルになる」という前代未聞の成功報酬契約を締結して、最終的には50セーブを記録。最終的な成功報酬は560兆ドルになりました。
今作ではその560兆ドルを1ドルに戻し、「ワールドシリーズ制覇を成し遂げたらオーナー権の2分の1を手にし、セーブを失敗したら選手を引退する」という契約を結びます。会見の席では、GMも「ノンブロウンセーブでワールドチャンピオンになったら、球界を引退する」と宣言。
逢坂が共同オーナーになるか、引退するかをかけた勝負が本作では描かれます。
さだやす圭先生の代表作には、『フォーシーム』や『フォーシームNEXT』の他、『なんと孫六』『ああ播磨灘』があり、スポーツ系を得意にしているマンガ家です。その特徴としては、今どきなかなかお目にかかれないくらい男臭い男が主人公となっている点があります。
実際にいたら付き合うのは大変かもしれませんが、義理人情を大切にしそうなキャラクターが多いので、いざというときには守ってくれそうな感じですね。
それはさておき、MLBでセーブ失敗が記録として残るようになって32年。その歴史の中で、シーズン通してノンブロウンセーブ(セーブ失敗ゼロ)を記録したのは1人しかいない大記録です。
現実世界で、そんな大記録を日本人が達成したら嬉しいでしょう。そんな興奮を体験できる物語、今後の展開が楽しみですね。
【作品データ】
・作者:さだやす圭
・出版社: ビッグコミック(小学館)
・刊行状況:既刊3巻