働く人の味方労働基準監督官の仕事を描いたマンガ『ダンダリン一〇一』

サラリーマンであれば、一度は「労働基準監督署」という言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか。これは労働基準法および各種労働法規に沿って、労基法違反の取締捜査や就業規則の兼任・届けなどを行う機関です。

そこで働く公務員を労働基準監督官と呼びますが、職務内容は意外と知らないもの。そんな労働基準監督官の仕事を描いた物語が、今回ご紹介する『ダンダリン一〇一』です。原作者はとんたにたかし先生、作画は『「子供を殺してください」という親たち』などで知られる鈴木マサカズ先生が担当なさっています。

とんたにたかし先生は海事代理士や行政書士として開業しており、青木雄二先生の『ナニワ金融道』に海事代理士編のアイデア提供をしたことから、マンガ原作者としての活動をはじめました。

現在は田島隆名義で従兄弟の東風孝広先生とコンビを組み、『カバチタレ!』シリーズや極悪がんぼシリーズなどを約20年にわたって連載。原作者の名前としては、こちらのほうが有名です。

鈴木マサカズ先生は重いテーマの作品を描くことが多いためか、絵柄も比較的重たくなりやすい傾向にあります。そのためか下記ツイートのように「きつい」と感じる人や「ネットリとした画風が好き」という人もいるなど、好き嫌いがはっきりと出やすいようです。

ただ、ストーリーの組み立て方は巧みで、キャラクターの表情や一見簡単に思えるセリフの描写技術が高いと感じます。

先にも書いたとおり、『ダンダリン一〇一』は労働基準監督官の仕事を描いたマンガです。公務員なので、いかにも「お役所」という部分もあるものの、「労働者の味方」という機能もあり、職務を全うしようとする本作の主人公でもある段田凛や上司(指導係)である土手山さんたちの心情がうまく描かれています。

2013年10月には『ダンダリン 労働基準監督官』が、竹内結子さん主演でドラマ化もされており、CSの日テレプラスでも再放送されることがあります。こちらも併せて見ると面白いでしょう。

労働に関する法律は誰もが知っておく必要があります。しかし、知らないことも多くあるのが労働法規です。ちなみに、私は労働基準監督官に司法警察権があることをこの作品で知りました。

あまり長く続かなったのが残念ですが、機会があったらまた労働法に特化した作品を描いてもらいたいですね。

【作品データ】
作者:鈴木マサカズ
原作:とんたにたかし
出版社:講談社
刊行状況:全1巻