【野球マンガ特集】初心者がゼロから甲子園を目指す!爽快なベースボールストーリーが開幕!『あの月に向かって打て!』

スポーツの世界は、幼少期からその競技に打ち込んできた人の成功確率が高いと言われています。これは野球でも例外ではありません。

しかし、中学や高校など比較的遅い段階からスタートした選手が、グングンと成長することであっという間に追い越すことも。そんな高校生を描いた物語が、今回ご紹介する『あの月に向かって打て!』です。

ちなみに、タイトルとなっている「あの月に向かって打て」というのは、岡山県の関西高校から丸井を経て東映フライヤーズ(現在の北海道日本ハム)に入団した大杉勝男氏へ、当時打撃コーチだった飯島滋弥氏が送ったアドバイスと言われています。

そんなアドバイスをもらった大杉氏は、1967年に27本塁打を記録。その後も2度の本塁打王を獲得するなどの活躍を見せ、1983年の引退までに通算486本塁打、通算2228安打を残した稀代の名スラッガーになりました。

作者の寒川一之先生は、中学校や高校、シニアリーグを舞台にしたスポーツマンガに定評のある方です。代表作の『GOLDEN★AGE』ではサッカー、『最後は?ストレート!!』は野球がテーマとなっています。

さて本作の主人公は文月弾輝。弾輝は志望校の受験に失敗して、近所の県立高校に進学することになった高校一年生。

受験に失敗して落ち込んでいたときに出会った、同じ1年生の板部岡雪江と笠原。担任になった野球部顧問の内藤先生。そして、同中(同じ中学校出身)の間宮。

彼らに触発されて、野球部に入部することになった弾輝の成長を描く物語です。

本作の魅力は、何と言ってもこれまでの野球漫画にはないテイストにあります。

特に野球マンガは優れた能力を持つ選手が主人公という作品がほとんどなのに対し、一見特筆すべき点がない(ように見える)ごく普通の高校生が主人公です。

また、高校まで野球未経験ということもあり、野球のイロハを学べるという点も大きな魅力といえるのではないでしょうか。

絵柄に関しても、『帯をギュッとね!』や『とめはねっ!』で知られる河合克敏先生に師事していただけあり、風景・キャラの筆致も丁寧で好感が持てます。特に主人公のお姉さんと妹、女子部員の板部岡さんなど女性キャラの絵柄が可愛く、その点からも多くのファンがつきそうですね。

実際、ツイッターでもそういう声が多く寄せられています。

今年のはじめに連載がはじまったばかりで、コミックスもまだ2巻しか発売されていませんが、10巻20巻と続いていくと固定ファンがついてくる作品になるでしょう。

作者の寒川先生には、ぜひ体調に気をつけて執筆してもらいたいと思います。また、連載しているビッグコミックスピリッツ編集部の皆さまには、この作品を大きく育てていただけるよう切に願います。

【作品データ】
・作者:寒川一之
・出版社:週刊ビッグコミックスピリッツ(小学館)
・刊行状況:既刊2巻