素直になれない恋……『誰もあたしを好きにならない』は本当?

ヤリマンを装って本気の恋をしない真希。真面目でカタブツの梨華。13年の付き合いの幼馴染に翻弄される奈津美。けれど、彼女たちには普通の恋はできない。真希はヤリマンということが周囲に広がりすぎて。梨華は好きな相手がチャラチャラしていることが気に入らなくて。奈津美はずっと姉役だった呪縛が解けなくて……そんな女の子の不器用ラブ!

仲良し3人組の真希と梨華と奈津美。周囲に何と言われても、この3人は仲が良かった。性格のまったく違う3人だったが、心の中には親友にも言えない秘めた恋心を持っている。けれど、それは言えない。告白もできない。

何股だとか、お金持ちの年上と付き合っているとか、昔からの腐れ縁だからとかで、女の子は自分の恋心をセーブしてしまう。たとえ好きな相手が誰かにとられそうになっっても、心では泣きながら、笑顔で「良かったね」と言ってしまう。こんなひねくれた自分なんで、きっと誰も好きになってくれないと思いながら──。

シリーズ3話と、短編1本の構成で描かれる本作だが、男女のすれ違いや意地の張り合いなど、不毛な悩みで辛い日々。もっと素直になりたいけれど、きっと誰も好きになってなどくれない。そう思い込んでしまっている。

好きになればなるほど、相手の気持ちや挙動が気になって、「もしかしたら嫌われているのかも」と思ってしまうのは仕方のないこと。けれど、どこかで自分に素直にならなければ、恋は進展しない。勇気を持って相手にぶつかることも時には必要で、情けない自分を見せることも恥ずかしがっていてはダメで、自分に言い訳ばかりしてもいられない。

そんな彼女たちが、前を向いて自分を好きになってくれる相手を探す物語が『誰もあたしを好きにならない』だ。それでもきっとどこかで誰かが見てくれている。いつもと様子が違うこと、やけにムキになっていること、素直になれないこと。

もしも恋愛に素直になれないのなら、本作を一読してみて欲しい。どんなあなたでも、それでも好きだと言ってくれる相手は必ずいると信じて。

【作品データ】
・作者:高藤Jr
・出版社:ビーグリー
・刊行状況:全1巻