ファンを笑顔にするために……『イジメカエシ。─復讐の31─』もう誰にも奪わせない!!

日本のアイドルが「会えるアイドル」という身近な存在になってしまったために起きる事件も少なくない昨今。しかし、もっと難しいのは芸能界という隠された世界の中の出来事だ。漫画『イジメカエシ。─復讐の31(カランドリエ)─』では、アイドルグループ内でのイジメをモチーフにした壮絶な描写が話題を呼んでいる。

アイドルグループ「カランドリエ」はカレンダーになぞらえた名前を持つ31人の女子で構成されている。幼い頃からの夢で、みんなを笑顔にしたくてアイドルになった主人公の31は、「末端のくせに顔が可愛い」というだけでメンバーにいじめられていた。プロデューサーに相談しても相手にされないどころか、国民的アイドルグループの不祥事は表沙汰にはしない、何があっても揉み消すと言われてしまう。

自分が笑顔でいなければ、ファンを笑顔にするなど到底できないと考えていた31は「殺(や)り返す」ことでその笑顔を保つことに決めた。ライバルは30人。一人ひとりを巧妙に始末し、少しずつ狂気をはらんだ笑顔を取り戻していく。しかし、イジメの本当の首謀者は……?

女子が学校1クラス分も集まれば、イジメや諍いは起こり得るだろう。しかし、アイドル業界は常にトップを争う戦場でもある。実力も人気も両立させなければ仕事は来ないし、仕事がなければアピールのチャンスもない。まさに命がけの生き残りを賭けた世界だ。可愛い女の子が壮絶な行為をしたり、暴言を吐くなど、実は意外でも何でもない。

「やられたらやりかえす」や「目には目を歯には歯を」は、現代日本では本来タブー。しかし、そうしなければ生き残れない場合も多々あるのが現実だ。本作は、イジメがエスカレートする闇を問う物語でもあるだろう。

【作品データ】
・作者:村下玖臓
・出版社:スクウェア・エニックス
・刊行状況: 1〜3巻(以下続刊)