4姉妹の揺れる感情を描く新コンセプトの百合『百合もよう~咲宮4姉妹の恋~』

「十人十色」という言葉をご存知でしょうか。好み・考えなどがそれぞれ異なることを表す四字熟語です。これは恋愛においても同じで、近年市民権を得つつある「LGBT」という言葉にも代表されるようにいろいろな恋愛の形があります。

そんな揺れ動く恋愛感情をギュッと詰め込んだ作品が、はちこ先生の『百合もよう~咲宮4姉妹の恋~』です。「百合」というタイトルからおわかりのとおり、『百合百景』その続編となる『百合ごよみ』で知られる作者が描いた、女性同士の恋愛がテーマとなっています。

主人公は咲宮家の4姉妹。

長女・椋は高校の先生で、まじめな性格。
次女・芹奈はOLで、ちゃっかりもの。
三女・結花は高校生で、おっとりとした女の子。
四女・瑞樹も高校生で、クールな性格。

このように四者四様の性格ですが、恋愛模様もそれぞれ違います。

長女は教え子と恋愛中で、なんとかバレないようにしている。
次女は課長に片想いをしているところ。
三女は幼なじみに告白されて、意識しはじめたばかり…。
四女は王子様キャラの先輩と交際しています。

本作の魅力は確かに姉妹の恋愛を描いているのですが、姉妹同士の恋愛ではなく、それぞれの恋模様を描いたところにあります。

同じ百合でもそれぞれシチュエーションが異なっているので、どの百合作品が好きな人でも同じように、そのドキドキ感に感情移入できる作りです。また、絵柄もそれぞれのキャラクターがかわいく、ちょっとときめく瞬間や少しエッチなやり取りを描ききっています。

百合作品は他の作品に比べて、終了が早くなりやすい傾向にあります。しかし、好きであることを公言していなくても、潜在的なファンは多いのが百合作品。これからも積極的に、いろいろなテーマの百合を描いてもらいたいところですね。

【作品データ】
・作者:はちこ
・出版社:KADOKAWA(メディアファクトリー)
・刊行状況:全2巻