『北欧女子オーサが見つけた日本の不思議』に見る、外国人から見た日本文化の不思議

私たちが海外旅行に行くと、さまざまな文化の違いに驚くことが多くあります。これは日本にやってくる外国人も同じで、私たちが何も疑問を持たずにやっている習慣でも、不思議に感じてしまうこともあるようです。

こうしたコミックエッセイは少なくなく、例えば国際結婚をした日本人や外国人、日本語教師や小学校の教師などによる作品が多く見られます。そんな中、日本でマンガ家として活躍するオーサ・イェークストロム先生が描いているのが、『北欧女子オーサが見つけた日本の不思議』です。

もともとは母国スウェーデンでマンガ家・イラストレーターとして活躍しており、2011年から日本に移住している彼女。現在は朝日新聞『be』にて隔週土曜日に『北欧女子オーサの日本探検』、Amebaの公式ブログにて『北欧女子が見つけた日本の不思議』を公開しています。

そんな彼女が見つける日本の不思議はたくさんありますが、中でも印象に残るのは言葉に関する不思議です。たとえば「行ければ行く」というのは、一般的に否定的な意味で使われることが多い言葉ですが、外国人には非常にわかりにくい言葉だと思います。

また、敬語も外国人にはわかりにくいようで、いろいろと間違えてしまうことがあります。その他、外国人にはわかりにくい日本の習慣などが多く描かれており、特に日本在住の外国人であれば共感できる部分も多いのではないでしょうか。

その他、日本人が一般的に抱くことの多いスウェーデン像のようなもの、スウェーデン文化の紹介も描かれており、作品内で異文化交流ができる点も魅力的です。

絵柄については、表紙を見ればわかるようにとてもかわいく描かれています。日本人が海外のマンガを読むと背景があまり描かれていなくて驚くことも多いですが、比較的しっかりと背景も描かれているので、違和感なく読むことができます。

日本への愛にあふれたオーサには、これからも日本の不思議をたくさん描いてもらいたいですね。

【作品データ】
作者:オーサ・イェークストロム
出版社:KADOKAWA
刊行状況:既刊4巻