マンガ大賞2010 授賞式レポート 『テルマエ・ロマエ』が大賞を獲得!

“今一番フレッシュなマンガ” “ぜひ他の人にも読んでもらいたいマンガ”
――そんなマンガを投票によって選出する第3回「マンガ大賞」の授賞式が3月17日、ニッポン放送のイマジンスタジオで開催された。

 

受賞の対象となるのは2009年中に単行本が発売され、最新刊が8巻までのマンガ作品。賞の運営・選考には書店員をはじめとしたマンガ好きの人々が、完全なボランティアで取り組んでいる。

のべ数千冊におよぶマンガを選考委員が読み込んで投票し、2010年は『テルマエ・ロマエ』が見事グランプリに輝いた。

テルマエ・ロマエ I (BEAM COMIX)

『テルマエ・ロマエ』はコミックビーム誌上で現在も連載中のギャグマンガ。タイトルを日本語に直すと「ローマの浴場」といった意味になる。

主人公は古代ローマの設計技師・ルシウス。なかなか斬新な浴場のアイディアが浮かばないルシウスが、なぜか現代日本にタイムスリップして快適な風呂文化に遭遇。持ち帰った数々の知識でローマの風呂に旋風を巻き起こす……というストーリーだ。

作者のヤマザキマリ氏は現在ポルトガルに在住しているため、授賞式にはコミックビームの奥村編集長が出席。運営委員会から手製の記念オブジェが贈られ、作者からは直筆の原稿が届けられた。

また、会場には第1回大賞『岳 みんなの山』作者の石塚真一氏が特別ゲストとして、さらに第2回大賞『ちはやふる』作者の末次由紀氏がプレゼンターとして登場するなど、歴代受賞者がそろい踏みして取材陣を驚かせた。

今回の受賞者であるヤマザキマリ氏も、ポルトガルからビデオチャットで授賞式に参加という芸当を披露。実行委員やマスコミ関係者からの質問にリアルタイムで答えた。来場していた書店員から「購入者のほとんどが女性ですよ」と聞かされ、「ええっ!あんな(全身)丸出しの表紙なのに!?」と作者自身が驚くひと幕もあった。

その他、今年のベスト10作品と獲得ポイントは以下の通り。

【ベスト10順位・ポイント一覧】
1位 『テルマエ・ロマエ』(ヤマザキマリ)94ポイント
2位 『宇宙兄弟』(小山宙哉)89ポイント
3位 『バクマン。』(作:大場つぐみ/画:小畑健)60ポイント
4位 『アイアムアヒーロー』(花沢健吾)55ポイント
5位 『娚の一生』(西炯子)48ポイント
6位 『虫と歌 市川春子作品集』(市川春子)47ポイント
7位 『海月姫』(東村アキコ)46ポイント
8位 『モテキ』(久保ミツロウ)44ポイント
9位 『高校球児 ザワさん』(三島衛里子)25ポイント
10位 『アオイホノオ』(島本和彦)23ポイント

マンガ大賞の公式サイトでは、3月17日時点でプレスリリースと作者生原稿のデータを公開中。すべての選考コメントをまとめたPDFが「公開予定」となっている。