高身長イケメン転校生は人間じゃない…!? 異色ラブコメ『ロボ転っ!』

主人公は高校の普通科に通う少女・文香。かわいくて家庭的で面倒見もいい文香だが、交際相手への要求レベルが高すぎるせいで、いまだクラス内で一人だけ恋人ができずにいた。そんなある日、メカニック科が開発したAI搭載の人型ロボット「マツカゼ01」が転校生としてやってくる。生身のイケメンを期待していた文香はガッカリするが、マツカゼと触れ合っていくうちに特別な感情がめばえて……?

こんな異色の学園ラブコメが『ロボ転っ!』だ。第1話の冒頭1ページめ、教室に入ってきたマツカゼを見た文香の「めっちゃロボ!」という声が作品のすべてを表している。

なんと言っても本作一番の特徴は、ロボット転校生・マツカゼの存在感に尽きるだろう。ブレザー制服に身を包んだ、高長身&イケメン(ロボット顔ではあるが)の容姿。黒板の内容などは一瞬でスキャニングするので学業も問題なし。人と接する態度は丁寧で紳士的。人間じゃないという点を除けば、文香にとってストライクゾーンの男性像である。

出会った当初の文香はマツカゼを単なるロボットとして扱い、マツカゼも彼女を「友達になりたいクラスメイト」としか思っていない。しかし隣同士の席で授業を受けたり一緒に学内イベントを重ねたりするうちに、マツカゼに搭載されたAIはどんどん人間らしい感情を学んで文香を特別視するようになる。彼女もまた変化していくマツカゼに心惹かれるようになって、ストーリー中盤からラブコメ要素が加速する。本格的に恋心を抱いたマツカゼが、開発者にすら予想できなかった感情的な行動に出るシーンは、ロボットの設定が最大限に生かされておりグッと来ること間違いなしだ。

全体としてのストーリー展開は転校から出会い、授業、バレンタインや初詣、そして告白イベントまで学園ラブコメの王道だが「恋愛相手がロボット」というだけでこれほどユニークになるとは驚かされる。女の子がとにかくかわいい絵柄、個性的なキャラクターの作り込み、適度にギャグをまじえながら感動のラストに持っていく話の盛り上げ方まで完成度が高い。全240ページほどの手ごろなボリュームということもあり、幅広い読者にオススメしたいと思う。

【作品データ】
・作者:天然鰤
・出版社:エコーズ株式会社
・刊行状況:全2巻