海外での日本マンガ・アニメ事情を紹介したコミックエッセイ『フランス人の私が日本のアニメで育ったらこうなった』

政府が策定した「クールジャパン戦略」では、マンガ・アニメ・ゲームを有望なコンテンツとして取り上げています。特に、日本のアニメーションは「ジャパニメーション」と呼ばれ、海外でも広く親しまれていることはご存知でしょう。

フランスのマンガには、「バンド・デシネ」があります。日本では『タンタンの冒険』が有名ですが、近年では日本風のマンガ(マンフラ)を描く人も出ています。特にトニー・ヴァレント氏の『ラディアン』は日本でも人気で、2018年からはEテレでアニメ化されています。今回は、同じく日本のマンガ・アニメに影響を受けているマンガ家エルザ・ブランツ氏のコミックエッセイ『フランス人の私が日本のアニメで育ったらこうなった』を紹介します。

作者は、『めぞん一刻』や『うる星やつら』で知られる高橋留美子先生のファン。ほかにも作品内では『ドラゴンボール』や『キャッツアイ』のマネをする子供時代の作者が描かれているなど日本のマンガに対する愛があふれています。

絵柄も日本のマンガに近く、共感する部分が多かった幼少期の思い出、日本では知られていないフランスのコミック・アニメ事情がわかりやすく描かれているのは高ポイントです。

作品内には、フランス語の翻訳家で日仏マンガのコーディネーターをしている鵜野孝紀氏のコラムと解説もついているので、フランスで日本のマンガ・アニメがどのように扱われているのかなどの事情を知ることができるおすすめの一冊となっています。

ここではネタバレになるので詳しく触れませんが、「本当に日本のマンガとアニメは海外で人気があるのか?」という問いに対する答えも書かれているので、ぜひ手にとって読んでみてください。

【作品データ】
作者:エルザ・ブランツ
解説:鵜野孝紀
出版社:DU BOOKS
刊行状況:全1巻