【野球特集:後編】38年ぶりによみがえった高校野球マンガの最高傑作『プレイボール2』

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野球マンガの傑作『プレイボール』は、連載終了から40年経った今も根強いファンがいる作品のひとつ。それは、21世紀に入ってアニメ化されたこと(2005年~2006年)からも明らかでしょう。

【前編】でも書いたとおり続編を望む声も多く、その後の構想を練っていたものの、作者が急逝したため「叶わぬ夢」と思われていました。しかし、グランドジャンプで38年ぶりに続編の連載が決定。少年時代からちばあきお作品のファンだったコージィ城倉先生が、『プレイボール2』として2017年から連載を開始しました。

作者のコージィ城倉先生は、『砂漠の野球部』や『おれはキャプテン』の作者である他、森高夕次名義で『グラゼニ』や『江川と西本』の原作を手掛けており、野球を題材にしたコミック作品では高い評価を得ている漫画家です。

現代の野球コミックを代表する作者でも、これだけ根強いファンが多い作品です。続編を描くにあたっては、大きなプレッシャーがあったことと思います。そんな中で連載を引き受けてくださったことに、私たちファンはただただ感謝しなければなりません。

物語は前作最終回から引き継ぐような形で、最後の夏を戦う墨谷高校が主軸です。あくまでも続編なので、設定を現代に変えて監督就任後の話、もしくは親子2代で成長する話にしても良かったのかもしれませんが、あえて前回を引き継ぐことを選択しました。

コージィ城倉先生もインタビューで「何も足さない、何も引かない」「ちばあきおファンをガッカリさせたくなかった」と語っているとおり、ちばあきおの世界観を現代に蘇らせるという強い思いがうかがえます。

実際に絵柄についても、脇役が少し変わったかなという程度で、谷口など主要キャラクターはちば先生とそっくりに描かれています。セリフに関しても、半田の呼び方が「半ちゃん」になっているなど、多少現代風になっているところもあるものの、まったく違和感のない仕上がりです。

全体のストーリーについても、練習試合を含めた普段の練習風景、練習の中での心理的葛藤、緊迫した試合風景が描かれており、まさしく「このような感じで描いていたのではないか」というテイストが再現されています。

【前編】でも少しだけ触れましたが、『キャプテン』と『プレイボール』は兄弟作品のようなものです。現在は『キャプテン2』が続編として隔月連載されており、前作と同じようにその世界観がリンクしています。

今後、墨谷高校は全国大会に出場できるのか、『キャプテン2』で登場しているキャラクターの登場(もしくはその逆)はあるのかなどを楽しみとして、その後のストーリーに注目していきたい作品です。

【作品データ】
・作者:コージィ城倉 原案:ちばあきお
・出版社:集英社
・刊行状況:既刊7巻