難しい税金のお話がわかりやすく解説されている『漫画家と税金確定申告やってみた-基本編-』

確定申告は毎年2月中旬から3月15日頃まで行われており、主に個人事業主が所得税の申告を行っています。毎年ニュースでもやっているので、言葉は知っているという人も多いでしょう。納税に関しては、つい最近も著名なお笑い芸人に多額の申告漏れが発覚してワイドショーを賑わせていました。

税金や確定申告という言葉を聞くと、「難しそう」もしくは「よくわからない」と拒否反応を起こす人もいると思います。その中で、漫画にすることで難しい説明を極力省き、わかりやすく説明することに特化した作品が、今回紹介する『漫画家と税金確定申告やってみた-基本編-』になります。

本作では実際に漫画家(個人事業主)の一色美穂先生が、全国の個人事業主を代表して公認会計士・税理士の山内真理先生に突撃取材して、確定申告のことを根掘り葉掘り聞いてきました。

特筆すべきは、フリーランスであれば誰もが気になるところでもある「駆け出しでも確定申告しなければならないのか?」、「突然収入が跳ね上がったらどうなるのか」といった特有の悩みもわかりやすく解説しているところでしょう。

また、確定申告で迷ってしまう項目に医療費控除がありますが、そこに関する考え方もわかりやすく解説されています。

税金に関する漫画なので、一部には専門用語も出てきます。しかし用語もわかりやすい言葉を使って説明をしているため、専門書を読んでいるという感じはなく、難しい税金の話もしっかりと理解できます。

特に控除に関する話は、サラリーマンの方にも関わってくるお話なので、そういう意味では納税者で「税金のことはさっぱりわからない」という人すべてにおすすめできる一冊です。

現在は不定期更新(更新ストップ)となっています。大変ためになる作品なので、連載再開を楽しみにしております。

【作品データ】
作者:一色美穂
出版社:小学館
刊行状況:全1巻