【映画試写会レビュー】驚愕の一人二役『ジャックとジル』

■2012年1月21日(土)全国ロードショー
<キャスト>アダム・サンドラー、アル・パチーノ、他

【あらすじ】
今年も、悪夢のサンクスギビングがやってくる。どの父親にとっても家族と過ごす夢のホリデーシーズンなのに、ジャックにとっては呪いの数日だった。それもそのはず。双子の妹、トラブルメーカーのジルが、毎年欠かさずジャックの家へ遊びにくるからだ。
いったい今年はどんなトラブルを招いてくれるのか……嫌な予感しかしていなかったホリデーシーズンは、ジャックの予想を遙かに凌駕して荒れ狂う!
あのアルパチーノの恋のお相手ってまさか!?

【みどころ】
今をときめくハリウッドコメディアン、アダム・サンドラーがまた笑いのムーブメントを巻き起こした。今回は一人二役、男女の双子という特殊な役への挑戦だ。

女装は何度となく挑戦してきたサンドラーだが、今回は「本物の女性=リアリティ」をとことん突き詰めて役作りにあたったという。スタッフ一丸となって体型から肌色、爪の長さまで研究したという役作りは半端ではない。監督が「映画制作を通して、ジルは〝サンドラーと偶然よく似た実在の女性〟だったから、映画に起用したように感じられてきた」と語ったが、筆者も同じ感想を抱いた。ジルは〝女装〟とただ称するには甚だしいほどの完璧さだった。

また、最初は複雑怪奇で理解し難いキャラクターのジルが、いつの間にかとても愛おしい存在になっていたことには驚いた。ジルは確かにハチャメチャだけど、心の奥底に切ないほどの愛情深さを隠しもっていたのだ。それも作品として無理矢理そう思わせるのではなく、ジルの内面からにじみ出てくるように自然とそのことを感じられた。どうして愛さずにいられるだろうか。

私事だが、実は筆者はコメディ映画があまり好きではない。国柄か自身の問題か、アメリカンジョークの面白さがよく分からないのだ。にも関わらず、アダム・サンドラーの作品は十中八九ハズレがないと思っている。サンドラー作品には、笑いだけではないドラマがあるからだ。脚本や制作を自らが手がけることで、余すことなく表現された想いが、作品の厚みになっているのだろう。

また今作も、サンドラー映画の特徴である、実在の人物を本人が演じる面白さにも注目してほしい。狂気のアル・パチーノだけでなく、数秒カットのちょい役に大物(本人役)を起用してくるダイナミックさは伊達じゃない。

【関連URL】
・『ジャックとジル』オフシャルサイト
http://www.jack-jill.jp/

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