双子も増えてますます賑やか『ガーデン姉妹(シスターズ)』

連載開始から何年経っても小学生だったり、高校生を何回やってるのって言われたりする漫画も多いですが、着実に年齢を重ねている作品もあります。その1つに、竹書房の4コマ漫画誌「まんライフ」にて連載中の『ガーデン姉妹(シスターズ)』(竹本泉)があります。連載開始は2012年と今から約6年前。基本的にはショートストーリーの8ぺージ掲載で、あまり量は多くないのですが、先日単行本第5巻が発売されました。

ほぼタイトル通りに庭(にわ)家の5姉妹が活躍する話なのですが、上から、空子(くうこ)、風子(ふうこ)、花子(はなこ)の三つ子、その下に実質的な主人公となる池子(いけこ)、そして一番下の妹にカナリがいます。末のカナリだけちょっと名前が異なるのは、父親が違うためです。つまり、母親の庭みどりと前の夫との間に生まれたのが上の4人。その後に前の夫と離婚したみどりが、外国人のアーロン・マグダーモット(婿入りして、庭アーロンとなる)と再婚して、連れ子だったカナリが加わります。そう、上の4姉妹と血の繋がりの無いカナリとの間に生じるドロドロの人間関係が、本作では赤裸々に……なんてことは、竹本作品ではもちろん縁がなく、皆でワイワイ楽しくやっています。

連載開始時は、空子、風子、花子は中学2年生、池子は中学1年生、カナリは小学6年生でした。約5年が過ぎて、55話にて空子、風子、花子は大学生に、池子は高校を卒業し就職、カナリは高校3年生になっています。話の内容によって時間経過が伸びたり縮んだりしている場面はありますけれど、現実とほぼ同じ年月が漫画内でも流れているようです。

そんな本作、当初の想定を超えた長期連載に突入したのか、直近で大きな変化が生まれました。56話にて、なんと「現在おめでた中」と衝撃の発表があります。妊娠したのは、三つ子でも池子でも、もちろんカナリでもなく、お母さんのみどり。そして次の57話にて、三つ子とは18歳差(19歳差かも)の子供となる双子が誕生します。名前は、樹太(きた)、蝶子(ちょうこ)。そう、双子の1人は男の子なんですね。そのため、「タイトルと違うじゃないか!」なんてツッコミが入りそうですが、58話のみタイトルが『ガーデン姉妹(シスターズ)&弟(おとうと)』となっています。この辺りは、単行本第5巻のあとがきでも竹本先生が触れており、「姉妹6人に弟1人だからまあ誤差の範囲内」「割合でいうと14%くらいが弟」なのだそうです。まだまだ乳児の双子ですが、性格的にはかなり積極的な様子。もう少し経って、どんな話題を生み出してくれるかに期待です。

もう1つの変化として、末(双子が生まれた時点で、もう末ではないのですが)のカナリが、「ガーデンカナリア」のペンネームにて、女子高生漫画家としてデビューしたこともあります。大学に進学した直近では、「女子大生ブロンド先生」のあおり文句で2本連載を抱える人気漫画家になりつつあります。今後どんな漫画家ネタや出版業界ネタが盛り込まれるのか。こちらも楽しみにしたいと思います。

【作品データ】
作者:竹本泉
出版社:竹書房
刊行状況:1〜5巻(以下続刊)