痛快!本格ファンタジー『姫君の条件』

【あらすじ】
「王の条件は強い精霊の守護を得ること。姫君の条件は――」

パパリダ王国の末娘・ダリアン姫は次期国王になるべく、強い精霊の守護を求めて日々奮闘していた。それにしても「もうアンタを守護しようなんて精霊はいない」ってどういうこと!?
一方、護衛官・キールは、気のむくまま生きる姫に振り回されっぱなしで、気の休まる暇もない。でも姫を護れるのは自分だけと、嬉しくて仕方のない様子もあり……。
王祖パパリア女王を彷彿させる、行動力と光を湛えたダリアンは次期国王となれるのか。建国以来、闇に葬られた過去が、ダリアンとキール恋路を翻弄する! 

【みどころ】
男性にも読んで欲しい!
失礼を承知で言えば、タイトルと絵からは何となく、ありがちな少女漫画しか想像できないかもしれません。けれど読み進めていくうちに、そんな狭量の自分を呪いたくなります。
読めば読むほど、タイトルとのギャップが清々しいくらい、旨味を増していくのです。絵がどんなに少女漫画だって、ただの少女漫画には見えなくなりますよ。

痛快で個性的なキャラクターが動きまわっているので、軽くなりすぎるかと思えば、根底には確かなストーリーの軸があり、引きこまれていくこと間違いありません。
このしっかりした設定と、ズレのなさは本格的なファンタジー小説を彷彿させます。
とはいえ、展開のテンポのよさは少女漫画ならではなのでしょう。
王族でありながら、自分の世間知らずさを嘆き、家族や友達を何より大切にする、ダリアンの人柄にも好感がもてます。誰よりも光に包まれながら、誰よりも闇に近い存在であるダリアンと、色々な事情と想いの狭間で揺れ動くキールは、私たちの隣にもいる〝誰か〟のようですね。
現実からかけ離れた世界のファンタジーでありながら、キャラクター1人1人がとても人間らしいのも、この作品の良さではないでしょうか。

誰だって、大切な相手を守りたいものです。
その真っ直ぐな気持ちを素直に実行できるって、素敵なことだと思いませんか?

【作品データ】
・作者:朔野安子
・出版社 :白泉社
・刊行状況:全8巻(完結)

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