【予習レビュー】ドラマ放送間近! 痛さ全開のラブストーリー『モテキ』

テレビ東京系列の「ドラマ24」枠で、7月16日から『モテキ』の放送がスタートする。

ドラマ24枠は『嬢王』『エリートヤンキー三郎』など漫画原作タイトルが目立つが、この『モテキ』も講談社イブニングで連載されていた漫画。作者は久保ミツロウ。『バクマン。』『宇宙兄弟』といった強豪にまじって、マンガ大賞2010の最終ノミネートまで残った人気作だ。今回はドラマの放送を翌月に控え、原作コミックを簡単におさらいしてみたい。

モテキ (1) (イブニングKC)

【あらすじ】
もうじき三十路をむかえる藤本幸世は、女性経験ほぼゼロの草食系男子。冴えない派遣社員として生きてきた彼に、ある日いきなり「前の派遣先の知り合い」「片思いしてフラれた女」「思い出したくない初体験の相手」たちから一斉に連絡が入ってくる。一瞬にして女性関係のキャパシティがあふれかえった幸世は思った。これが――“モテ期か”と!

【みどころ】
大まかなあらすじは上記の通り。人間は誰でも人生に一度、異性にモテまくる時期があるという。本作はその“モテ期”の都市伝説を作品テーマ(タイトルにも)にしている。

ぼさぼさ頭にもっさりメガネの主人公は、典型的なヘタレ&ダメ男。いきなりモテ期が到来したものだから舞い上がって、「暴走→相手の女性がドン引き→自己嫌悪」のフルコースを味わうことも珍しくない。はっきり言って痛い。読んでいて非常に痛い。とりわけ、身につまされる体験がある男子読者なら単行本を投げ捨てて逃げ出したいほど痛い。

それでもさまざまな女性と触れあって失敗を重ねながら、少しずつ成長していく主人公の姿は実に尊い。たまに見せる熱い雄叫びシーンなどからは、草食系男子の意地が垣間見えてカッコいい。主人公がなんの理由もなく美少女からモテモテになる少年ラブコメでは決して味わえない、青年誌だから可能なビターテイストの良質ラブストーリーだ。

原作コミックの連載は今年終了して、全4巻という手に取りやすい冊数にまとまっている。講談社のWebサイトでは無料試し読みができるので、この機会に『モテキ』の世界に触れてみるのもいいだろう。

なお、ドラマ版で藤本幸世を演じるのは数々の受賞歴をもつ実力派・森山未來。この愛すべきヘタレ主人公をどう表現してくれるのか楽しみである。

【関連URL】
ドラマ『モテキ』公式サイト
講談社コミックプラス『モテキ』

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