ひとつの原作が何回にも渡って他メディア化されることがある。有名なところでは横溝正史の金田一耕介シリーズ。何度も映画やテレビドラマになり、幾多の監督や俳優が関わってきた。それぞれに味のある出来ばえになっている。
漫画でも、同じ原作を複数の漫画家が描くことがある。少し前に話題になったのが『電車男』。まずネット掲示板発でまとめられたものが書籍になった。これを元に、テレビドラマ、映画、漫画などになった。作画したのは、原秀則(ヤングサンデー)、渡辺航(チャンピオンRED)、御茶まちこ(デザート)など。同じ原作でも、漫画家によってこうも違うものかと感じることができる。
『武士道シックスティーン』は、誉田哲也の小説。
高校の剣道部に所属する二人の女子高生を書いたものだ。続編の『武士道セブンティーン』『武士道エイティーン』も好評を博している。この『武士道シックスティーン』が、同時に二つの漫画誌で連載されている。
ひとつが講談社アフタヌーンで、安藤慈朗によるもの。
もうひとつが集英社デラックスマーガレットで、尾崎あきらによるもの。
どちらもコミックス1巻が絶賛発売中。ぜひこの二つを、できれば原作の小説も合わせて、三つを読み比べて欲しい。それぞれに異なった趣が味わえるはずだ。
また4月24日に映画が公開される。監督は『ホームレス中学生』の古厩智之、キャストは磯山香織に成海璃子、西荻早苗は北乃きい。他に石黒英雄、堀部圭亮、板尾創路などが出演する。
まさにメディアミックスが一斉に襲い掛かってきたようだ。以前、カドカワ映画のコピーに「読んでから見るか、見てから読むか」があった。それに当てはめれば、「読んで読んで読んで見る」になるのだろうか。
■映画「武士道シックスティーン」公式サイト
http://bushido16-movie.com/