可愛らしい絵柄とエロティックな表現のギャップが眩しい青春ラブコメディ『先生、好きです』

【あらすじ】
年齢=彼女いない歴の樋口は、女子校の教師になったその年、二人の教え子から告白される。一人は明るくて友達も多い生徒・市川。もう一人は学年トップの 優等生・渡辺。樋口は、教師と生徒の間柄であるため冷静に対処しなければと思いながらも、女を武器に積極的に迫る市川と、クラスメイトの全員の前で堂々と告白してみせた渡辺の二人に挟まれ、翻弄されていく。少女漫画のような可愛らしい絵柄と、少年漫画らしいエロティックな描写のギャップが眩しい青春ラブコメディだ。

【みどころ】
はじめの数ページを読んだ時は、少女漫画かと思った。健気で一途な女子高生が、冴えないながらも優しい年上の教師に惹かれて奮闘する……それなら少女漫画でも好まれる筋書きだろう。しかし、少女漫画にしてはやけに女子の肌の露出が多いし、現実離れしたラッキースケベ展開も頻発する。これは?と思い掲載誌を確認してみたら、「少年マガジン」だった。それには少し驚いたが、ヒロイン二人が可愛く、きわどい描写もポップに描かれているため、女性読者でも抵抗なく読みやすいのがこの作品の魅力の一つだと思う。

舞台である女子校の雰囲気が丁寧に描かれていることも気になって調べてみたところ、どうやら作者の三浦糀先生は女性らしいことがわかった。更衣室での着替えのシーンなどでは、実際に女子校に通っていた人でないとなかなか気付かないような細かい描写がなされていて、確かにリアルだ。それも男性読者の夢を壊さない範囲で、というところに好感が持てる。

二人のヒロインの心理描写も細かい。渡辺は、自分には「この先何十年と先生と生きる覚悟」があると言い、女を武器に迫る市川を「ひとりよがり」だと批判する。対する市川は、年下で学生である自分にはこれしかないのだと反論する。「先生に意識してもらえるなら、好きになってもらえるなら、私はどんな方法でもいい。好きって気持ちが自分じゃ止められない」──そういう恋をしているのだと言う。渡辺はそれを「そんなの恋に恋してるだけです」と切り捨てる。真剣に睨み合う少女たちがまっすぐで美しく、今後の展開が気になる一冊だ。

【作品データ】
・作者:三浦糀
・出版社:講談社
・刊行状況:1巻(以下続刊)