あの傑作の外伝『ドラゴンボール外伝 転生したらヤムチャだった件』が大好評!

1984年に誕生し、いまや世界的な人気を獲得した大物タイトル『ドラゴンボール』。現在も旧作の続きを描く『ドラゴンボール超』が連載されており、新たな劇場アニメも発表された現役コンテンツである(TVアニメは先日終了)。

今回はその本編ではなく、スピンオフとして高い評価を得ている『ドラゴンボール外伝 転生したらヤムチャだった件』(ドラゴン画廊・リー/集英社)を紹介したい。


主人公は『ドラゴンボール』を愛してやまない現代の少年。ふとした事故から意識を失い、なぜか同作のキャラクター・ヤムチャとして転生してしまう。作中の歴史はファンである彼の記憶通りに進んでおり、このままではヤムチャは「やられ役の弱キャラ」として不遇な扱いになる。それを阻止して幸福になるため、ヤムチャの体に宿った主人公は“この後のストーリーを自分だけが知っている”という唯一のアドバンテージを生かし、運命改変に挑んでいく。

本作が大人気となった理由は、作者自身がドラゴンボールの熱烈なファンというだけあり、原作リスペクトが徹底されているところだろう。

絵柄は原作者(鳥山明)と瓜二つ、さらに「当時まだ登場していなかったキャラを探し出して修業をつけてもらい、ヤムチャだけ強くなる」「のちに改心することを知っているせいで極悪な敵キャラにとどめを刺せない」など、メタ的な視点がうまくストーリーに組み込まれている。原作ファンの希望に沿って物語を進めつつ、ラストに待っている意外なオチまで読者を飽きさせない。

平凡な主人公が異世界に転生(または転移)してチート級の能力を発揮する――いやゆる「異世界モノ」ジャンルはブームにかげりが見えてきているが、根強いファンを持つ『ドラゴンボール』と組み合わせることで、思わぬ快作が生み出された。1つの傑作コンテンツが持つ底知れないパワーを、あらためて教えてくれる出来事である。

【作品データ】
・作者:ドラゴン画廊・リー
・出版社:集英社
・刊行状況:全1巻(完結)