家族のあり方を考えさせられる衝撃作『JKと捨て子の赤ちゃん』

【あらすじ】
女子高生の若葉は、交際相手から二人の間に産まれた子ども・ハルを処分するように指示され、橋の下に捨てた。捨てられているハルを偶然拾ったのは、若葉のクラスメイト・桃子だった。桃子がハルを拾ったことを知った若葉は、「警察には届けるな」と匿名で手紙を出す。手紙を受け取った桃子は、自分の境遇にハルを重ね、警察に届けない代わりに自身で母親を見つけ出そうと決意するのだった。

【みどころ】
優等生然とした若葉が、未成年でありながら妊娠・出産し、さらにその赤子を捨てた母親であり、一方では、金髪ギャルで一見遊んでいそうな雰囲気の桃子がハルを拾い、育ての親になるという、二人の主人公のギャップがこの作品の魅力であると感じた。

学校では隣同士並んで授業を受けるありふれた女子高生なのに、私生活や生い立ちは対照的である点も興味深い。まだ単行本第1巻が出たばかりだが、そのあたりが特に丁寧に描かれているように思える。母親からネグレクトを受けている若葉と、産みの親を失った代わりに育ての親から愛情を一身に受けて真っ直ぐに育った桃子。元の設定は親友同士だったようだが、このたびの連載開始にあたり、関わりの薄いクラスメイトという間柄となっている。ハルを巡って、この二人の関係が今後どのように変化していくのかにも注目していきたい。

自分が孕ませておきながら、産んだ子どもを殺せと若葉に指示したハルの父親の正体は、まあコイツだろうと見当がつくので、「一体誰なんだろう?」というドキドキ感はほぼない。しかし、若葉に対して飴と鞭を使い分けてたぶらかす様が、いかにも性根が悪そうで腹立たしいので、ぜひとも本編で正体が明かされた暁には、相応の制裁を受けてくれることを読者として願わずにはいられない。

単行本第1巻の続きは、作者の公式ツイッターで読むことができる。同作者の漫画、『先生のやさしい殺し方』(単行本第2巻まで発売中)と合わせて、ツイッターで読んでみることもオススメしたいと思う。

【作品データ】
・作者:反転シャロウ
・出版社:KADOKAWA
・刊行状況:1巻(以下続刊)