紆余曲折を経て再始動(コンティニュー)――『ハイスコアガール』TVアニメ版の放送開始が発表!!

月刊ビッグガンガン連載中の人気ラブコメ漫画『ハイスコアガール』(押切蓮介/スクウェア・エニックス)。一度はTVアニメ化が発表されながら著作権問題(後述)によって実現が危ぶまれていたが、ついに今年7月からの放送が正式発表された。長らく待っていたファンからは、さっそく喜びの声があふれている。

『ハイスコアガール』はアーケードゲーム全盛だった1990年代を舞台に、ゲームに熱狂する少年・ハルオ、窮屈なお嬢様生活のストレスをゲームにぶつける少女・晶、ハルオに思いを寄せる少女・小春の三角関係を描いたラブコメディ。

彼らが小学生の時代からストーリーは始まり、中学、高校とさまざまなイベントを挟みながら人間関係も変化していく。

無口で暴力的な晶を最初は敵視していたハルオだが、彼女の育った環境を理解し、また意外なかわいさや天才的ゲームテクニックに触れて恋心を抱く。一方でゲーム以外に取り柄のないハルオに「なぜか自然と」惚れてしまった小春が二人の間に入り、時にはもどかしく間接的に、時には交際を賭けたゲーム勝負でダイレクトにアプローチをかけてくる。すべての重要イベントに『ストリートファイターII』『キングオブファイターズ』など実在のゲームが絡み、当時をリアルタイムで知る30代以上の読者に突き刺さる作風だ。

ファンからの支持を得て早々にアニメ化が発表されていたのだが、「実在のゲームを作中に登場させる」要素が思わぬトラブルを呼んだ。登場したゲームの版権元が、許可を得ず無断でキャラクターなどを使用されたと訴え、著作権侵害によりスクウェア・エニックス本社が家宅捜索を受ける異例の事態になったのだ。そのため決定していたアニメ企画は続報が出なくなり、本編の連載すら一時期中断していた。

翌年の2015年に和解が成立し、この2018年にようやくアニメ放送が正式発表……ファンが大歓喜している背景には、こんな事情があったのだ。いずれにせよ「アーケードゲーム」という特徴的なギミックを採用した良作ラブコメがTVアニメとして新展開を迎えるのは喜ばしいことであり、7月の放送スタートが待たれる。