したたかなヒロインの活躍が熱い!『辺獄のシュヴェスタ』

保育制度の不十分さ、非正規雇用の増加、医療・福祉制度の改悪など、現代日本女性にとっても明るい要素に乏しい昨今。そんな中、漫画の世界では、実際の歴史上で戦った強い女主人公たちが人気を集めている。

復讐の女戦士と西夏文字を題材とした『シュトヘル』のシュトヘル、月刊アクション(双葉社)で連載中の『乙女戦争』のシャールカなど、現代より女性の地位が低かった時代において、細い体に勇気と異能を宿して信念を貫く女主人公たちの姿は魅力的だ。

『月刊!スピリッツ』(小学館)に連載中の『辺獄のシュヴェスタ』もそんなマッシブなヒロインの活躍が堪能できる作品だ。

作者は前作『地の底の天上』でスピリッツ賞(大賞)を受賞した期待の新人で、受賞第二作で異例の連載となった本作もtwitterでプロの漫画家たちが絶賛するなど、早くも話題を呼んでいる。

舞台は16世紀の神聖ローマ帝国。主人公の少女・エラは、クラウストルム修道会の魔女狩りによって義母・アンゲーリカを失う。

その後「分水嶺の城」と称される修道院に収監され、同じ境遇の娘たちが「再教育」として洗脳や拷問に遭う姿に直面した彼女は、偽善と狂信に満ちた牢獄に単身戦いを挑む。すべては、仇であり修道院の長であるエーデルガルトに復讐するために――。

エラは一般社会からは異端とされ、並の娘なら死か屈服しかない牢獄で復讐を胸に生きる強い女だ。彼女を輝かせるのは死後の天国ではなく過酷なデッド・オア・アライブの世界である。そんな中をしたたかに、そして懸命に生き抜く彼女の痛快な活躍は、他作品の女主人公たちと同様に、読者に元気を与えてくれるだろう。

【作品情報】
・作者:竹良実
・出版社:小学館
・刊行状況:5巻まで(続刊)