小野不由美の小説、『屍鬼(しき)』。ホラー小説の傑作として評価が高く、1998年の発売からこれまで何度も話題になってきた。この小説を原作にした漫画が『封神演義』の藤崎竜によって集英社ジャンプSQで連載中の『屍鬼』だ。小説と漫画で若干設定に違いがあるものの、小説ファンにも十分楽しめるものになっている。
掲載誌がジャンプSQであることと、ホラー小説が元になっているだけに、対象年齢はやや高めか。それでも表現は多少抑え目になっているようなところは、低年齢層への配慮かもしれない。一部、気になるのは登場人物のファッション。なんでも藤崎漫画の個性だそうで、「ちょっと合わないなぁ」と思っても目をつむるよりなさそうだ。それでも全般的には、小説ベースで完成度の高い物語になっている。ただ原作があるだけに、最後まで原作を踏襲するのか、それとも何か一枚噛ませるのか、これから大きくはずすのか。今後の展開を楽しみにしたいところだ。
『屍鬼』のコミックスは、現在7巻まで発行済み。また集英社の「ヴォイスコミックステーション」からVOMIC(ヴォミック)が2008年に全4話配信されている。
この『屍鬼』がフジテレビのノイタミナ枠でアニメ化される。放送は、こちらで4月2日に紹介した『さらい屋五葉』の後、7月8日から全26話で開始。下記公式サイトにキャストが発表されているが、注目したいところは声優だ。主人公の結城夏野に内山昂輝、その他は大川透、戸松遥……と、その辺はおいといて、なんとGACKTが登場する。GACKTが声を当てるのは、一応重要なキャラクターだが、アニメではもっと出番を増やすのだろうか、監督のアミノテツロに期待したいところだ。
■アニメ『屍鬼』公式サイト
http://www.okiagari.net/
■ジャンプSQ『屍鬼』公式サイト
http://jumpsq.shueisha.co.jp/contents/shiki/index.html