『血とチョコレート』でエリートたちの真の姿を暴く!

【あらすじ】
弟の泉水(いずみ)がエリート士官学校のノースゲイトで行方不明になったことを知り、正体を隠して奨学生として編入した藤光夜空良(ふじみつ・よそら)。彼は学生寮で鏡原亜理寿(かがみはら・ありす)と同室になるが、彼は気弱な劣等生だった。いつも何かに怯え、目立たないように振る舞う亜理寿だったが、夜空良との出会いによって彼の運命は大きく転換することになる──!

【みどころ】
正体を隠して編入した夜空良は、いつも作り笑いと丁寧な言葉遣いで自分を偽っている。自分とそっくりな顔をした泉水のことを同じ学校の生徒に聞いても、知らないと言われるばかりだったが、どうやらそこには暗黙のタブーがあるようだった。いつも亜理寿に酷い仕打ちを行う四賀は、以上に泉水を「危険分子」と罵っていたが……?夜空良の暮らす寮の室長である教師の安佐隈は良い人間そうだったが、夜空良は彼の震えを見逃さない。どうやら安佐隈にも秘密があるようだ。

ある夜、夜空良たちの部屋に侵入してきた白川という男子生徒は、泉水のことを知っているようで、親しい間柄でもあったらしい。しかし夜空良を見るまで何故か泉水のことを忘れていたらしく、何らかの記憶が欠落しているようだった。しかし夜空良が白川から聞き出した言葉には泉水の失踪の秘密が隠されていた。

危険を冒してでも泉水を探し出したい夜空良だったが、亜理寿が足手まといになり、なかなか真相に近づけない。しかしその亜理寿に変化が起こる。これまでに周囲の人間の顔色を窺いながら生きてきた亜理寿だったがゆえに、他人の表情のほんのささいな変化も読み取れてしまうのだ。夜空良はそんな彼を利用し、泉水失踪のカギとなると言われている「西園寺空雅(さいおんじ・くうが)」の影を追って、エリートの集まる0組にまで昇格する。10人いる0組の生徒の中から、西園寺空雅を探しだすために、夜空良と亜理寿はさまざまな揺さぶりをかけるが──!?

「聖都の冷血」と呼ばれていたかつての夜空良のおいたちや、学園の生徒や教師の裏の顔が暴かれていく様子はまさにサスペンス!弟の泉水のためにすべてを賭ける夜空良と、そんな彼に心酔する亜理寿のアンバランスな関係にも注目したい。そして最後に明らかになる西園寺空雅の正体とは?!あまりにも残酷な真実と、その先に待ち受ける未来。複雑に交錯する人間関係に翻弄されながら読み進めたい作品だ。

【作品データ】
・作者:naked ape
・出版社:講談社
・刊行状況:全3巻