幸せを求め生と死を見つめる!『プラチナエンド』

【あらすじ】
家族を事故で失い、親戚に引き取られるも辛い日々を送っていた架橋明日(かけはし・みらい)。両親の財産や保険金目当てでミライを引き取っただけの親戚は彼に最低限の生活しかさせず、中学を出たら働いて全額を渡せという。すべてに絶望したミライは、中学の卒業式にビルの屋上から自殺を図るが、特級天使を名乗る美少女に救われてしまう。自由に飛べる「翼」と、愛を得られる「矢」を与えられ、それを利用して幸せになれと彼女は言うが……。

【みどころ】
私が「生きる希望」をあげる──そう言ってミライを助けた天使・ナッセ。彼女は天使の中でも「翼」と「矢」を同時に持つ、特級天使だった。純粋無垢なナッセは、翼と矢を使ってミライが幸せになれる方法を助言する。しかし、親戚が財産目当てでミライの両親を殺したと知らされ、叔母が目の前で自殺するのを見た彼は、自分を愛してくれる「赤の矢」と、百発百中で相手を殺せる「白の矢」に戸惑いを隠せない。

なんとか高校入学を果たしたミライだったが、13羽の天使がついた者が「神」候補として戦わなければらならないことを知らされて呆然とする。一人目の天使つきの神候補は、目立ち過ぎたために殺された。その犯人はどうやら「メトロポリマン」と名乗り、人類の平和に貢献している特撮ヒーローのような奴なのだが……。

ミライが片想いをしている花籠咲(はなかご・さき)にも2級天使がついていて、ミライは赤の矢を刺されて咲の翼になることになるが、「33日ルール」解除後も咲を守り続けると誓う。咲についていた天使・ルベルとも協力することになるが、ある日メトロポリマンがテレビ中継で日本中に呼びかけた。それは13羽の天使と神候補を見つけ出すための作戦のようだったが──?

球場で行われたメトロポリマンのパフォーマンスを間近で見たミライと咲は、なんとか正体をバレずに球場を後にする。ナッセはメトロポリマンと何やら内緒話をしていたようだったが、ミライはそれに気付かない。ナッセとルベルは、メトロポリマンをミライに殺させるように仕向けるしかないと考えているが、叔母を自殺させたトラウマからまだ抜け出せないミライにはそれもできない。

『DEATH NOTE』、『バクマン。』の名コンビが再び送る生と死を巡るファンタジーが新たに幕を開けた。主人公のミライは消極的で内向的な性格だが、咲を守るために立ち上がることができるのだろうか?そして始まる高校生活──まだまだスタートしたばかりの物語だが、13羽の天使を相手にミライとナッセはどう立ち向かうのか、追い続けていきたい。

【作品データ】
・作者:原作/大場つぐみ 漫画/小畑健
・出版社:集英社
・刊行状況:1〜2巻(以下続刊)