【名作再発見】王道の少年マンガ『武装錬金』

武装錬金 1 (ジャンプ・コミックス) 【あらすじ】
ある晩、武藤カズキは夜道で怪物に襲われかけている少女・斗貴子を救おうとして心臓を貫かれ瀕死に。少女から逆に命を救われたカズキは、怪物(ホムンクルス)を倒す力「武装錬金」と出会った。錬金の戦士として敵組織LXEと死闘を繰り広げるカズキは、やがて世界の危機と対峙する……。

【解説】
震災後、正義も大義も何もなくただ悪くなっていく日本の政治。国民一人一人はみんな凄いのに、何でトップクラスが足の引っ張り合いをしているやらと悲しくなります。小さな頃はどんなときでも諦めなければ正義の味方がやってきて救ってくれる、そんな風に思っていたこともありましたが現実はそんなに甘くなく、「正義って何か」とふと考えていたら『武装錬金』のことを思い出しました。

週刊少年ジャンプ2003年30号から開始された本作は、連載終了後の2006年10月にアニメ化もされました。独特で個性が強いキャラクターが敵にも味方にも大量にいたことから「変態だらけの色物作品」という辛辣な言われ方もWEB上では散見されましたが、著者はこの作品が大好きです。アニメ版のオープニング曲となった『真っ赤な誓い』は今なお人気があり、動画系サイトのMADアニメーションBGMとして多用されています。

全10巻の物語のうち、主人公である武藤カズキの戦いは、敵すら含むの自分以外のためのもので、そこには打算も我欲もなく、偽善と言われてもただみんなを幸せにしたいというものでした。よく似た物語としてマンガ『うしおととら』やゲーム『Fate/Stay Night』などがよく挙げられますが、そういった正義の味方は常に葛藤し続けます。

間違った方向に行くとしても、それでもただ自分の手の届くものだけでも守りたい、同作者の『るろうに剣心』で主人公が言った「手の届く範囲を守る」という考え方は、極めて少年漫画的な主人公が持つべき理想像ではないかと思います。

昨今の漫画におけるヒーロー像は、どこかでダークヒーロー的な要素を持つことが多く、心根の部分でヒーローらしいヒーロー像を泥臭く感じ、拒否しているような風潮を感じます。こんな暗いときだから泥臭くてバカで、でも一生懸命なヒーロー像をもう一度見直してみるのもいいのではないでしょうか。

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