【あらすじ】
小学生の時に女の子に言われた一言で、女子が苦手になってしまった土屋雅春(つちや・まさはる)は、高校入学を機にいろいろ変わろうとする。体育館の舞台で披露された部活紹介の中で、ひときわ異彩を放っていたのは、競技ダンス部という地味そうな名前とは裏腹な豪華で華麗なダンスだった。女子とのボディタッチを狙って体験入部に殺到する男子だちだったが、部長の土井垣真澄(どいがき・ますみ)の登場に霧散。残されたのは土屋と、もう一人の小さな女子だけだった──。
【みどころ】
つっちーこと土屋のトラウマは、小学校の頃に女子に「手汗」がすごいと言われたことだった。緊張すると出る手汗にコンプレックスを抱いていたつっちーだったが、一緒に競技ダンス部の体験入部をした亘理英里(わたり・えり)のことが気になり、一緒に入部しようと誘う。これだけでつっちーにとっては限界なほど手汗ダーダーものだったが、わたりちゃんは既に入部を決めていた。
晴れて競技ダンス部員になった二人は、二年生の不仲ペア・八巻章(やまき・しょう)と椿秋子(つばき・あきこ)と、三年生で土井垣のペアである綾辻理央(あやつじ・りお)たちと共に練習に励む。しかし、「競技」ダンスというのは実は「体育会系文化部」なのだ!ランニングやストレッチを経て、さまざまなステップを覚えていくつっちーとわたりちゃん。ほのぼのしていて可愛らしい。
そして初めての公式試合。つっちー&わたりちゃんペアは緊張しながら臨むが、あんなに練習したのにわたりちゃんが固まってしまう。頭の中が真っ白になってしまい、結局予選落ちしてしまった二人。泣きながら悔しがるわたりちゃんを見て、つっちーは「絶対自分がリードする」と心に決めるのだった。
「競技ダンスとはなんぞや?」と思う読者も多いと思うが、これがなんとも奥深い。一見格闘技に見える部分さえある。最新刊3巻は2月4日発売で、ここでは八巻&秋子ペアが魅せてくれるはずだ。他校で同じ一年生のライバル(?)も現れ、つっちーとわたりちゃんは次第に競技ダンスに夢中になっていく。数々の難関を乗り越えながら絆を強めていくつっちーとわたりちゃん。これからの成長を温かく見守りたくなる、ハートフルな学園青春物語なのである。
【作品データ】
・作者:横田卓馬
・出版社:集英社
・刊行状況:1〜2巻(以下続刊)