【あらすじ】
ゲンジと呼ばれている青年が、ある女に誘われて興味のないライヴハウスに足を踏み入れたところから物語は始まる──。下手くそな演奏に耳をふさぎたくなり、出ようとしていたゲンジの足を止めさせたのは、冬夜という名の美しいヴィーカリストだった。ステージに舞い降りた美しく恐ろしい死の使い。何故か既視感を感じるゲンジ。そしていつもの「あれ」が来る……。
【みどころ】
『金田一少年の事件簿』の原作者である天樹征丸氏が原作を務め、『絶愛』シリーズなどで知られる尾崎南氏が漫画を担当した『東京ゲンジ物語』は、サスペンス・ミステリーである。主人公・ゲンジの周りでは、昔から多くの人間が死んでいた。小学校の友達、両親、中学時代の担任など、数え上げるとキリがないほどだ。
そして人が死んだ場所に立ち会うことの多いゲンジは、よく死体に欲情する。そして周囲で人が死ぬ前には必ずシンクロする記憶があった。それはさながら、古びたおもちゃ箱から転がり出てくるビー玉のように溢れ出てくる。小学生の頃に大切な人形を壊された記憶──。
さまざまな「死」はゲンジが招いたものなのか、それともゲンジが「死」に招かれているのかはわからない。しかし冬夜が死神のような存在であることは、ゲンジが直感で感じていた。そして何より自分自身が「死」を呼び寄せているのだということも。
殺人現場でよく遭遇する刑事にはあらぬ疑惑をかけられ、冬夜との関係も次第に深まっていくゲンジ。果たして冬夜の正体は何なのか。そしてゲンジの周りで起こる「死」の意味とは?!電子書籍「マンガボックス」では500万ダウンロードを誇る本作を、最後まで見つめて行きたい。
【作品データ】
・作者:原作/天樹征丸 漫画/尾崎南
・出版社:講談社
・刊行状況:1〜3巻(以下続刊)