漫画から音は聞こえてこない。そこが音楽漫画の難しさとも言える。しかし『のだめカンタービレ』は、漫画の枠を飛び出し、ドラマにアニメに映画にと大ヒットした。『のだめカンタービレ』が、クラッシックファンを増やしたのも事実だろう。
どっこいロックの世界も負けてはいない。お勧めしたいのが『BECK(ベック)』だ。なんのとりえもない少年、田中幸雄が音楽と出合ったことで、大きく成長していく。よくある成長譚と言えばそうかもしれないが、音楽が巧みに織り込まれることで、読ませるストーリーになっている。
『BECK』は2008年、月刊少年マガジンで連載終了。コミックスは講談社コミックスで34巻が発売、1500万部の大ヒットとなった。また連載途中の2004年、テレビ東京系列でアニメ化された。こちらは音楽にも凝ったなかなかの秀作だった。ただ権利関係もあって、音楽が連載そのまんまと行かないのは、残念ではあるが納得しないといけないだろう。DVDも発売されている。コミックスと共に見て欲しい。
この『BECK』が映画化される。原作漫画と異なり、主役は南竜介で水嶋ヒロが演じることになっている。漫画を読んでいた身とすれば、水嶋ヒロと聞くと「ちょっとイメージが違うんじゃないの?」と思ってしまう。まぁ、そこは主役ってことで、演技や演出に期待しよう。
キャスティングで注目したいのは、BECKの活動を邪魔するプロデューサーの蘭の中村獅童。あの手この手といろいろ嫌味なことをやってくるが、さて映画では?といったところ。漫画の主役、田中幸雄に佐藤健、その他には桐谷健太、忽那汐里、中村蒼、向井理など。 また監督は、『TRICK』シリーズや『20世紀少年』などの堤幸彦。こちらにも期待したい。
撮影は完了、後は9月4日の公開を待つばかりだ。
■映画公式サイト
http://www.beck-movie.jp/