早々にアニメ化決定!『僕のヒーローアカデミア』に期待!

【あらすじ】
世界の総人口の8割が何らかの特異体質である超人社会。「個性」と呼ばれるその能力を使い、悪行を働く者たちが存在する中、そんな奴らをやっつける「ヒーロー」たちを育てる学校に入学した、「無個性」の緑谷出久(みどりや・いずく)。何の能力も持たない彼だったが、憧れのヒーロー・オールマイトと出会うことで、自分を変えていけると能力を手にするが……。

【みどころ】
本来は生まれ持ってくるはずの「個性」を、オールマイトから伝統という形で受け取る出久・通称「デク」。自分のものではない「個性」を扱うには、もちろん相応の難しさや犠牲があった。それでも憧れのオールマイトに近付きたくて、七転八倒するデクは、幼馴染の爆豪勝己(ばくごう・かつき)に敵対視されながらも、クラスメイトと協力したり、戦ったりして、成長していく。
そんな中、敵(ヴィラン)と呼ばれる者たちの襲撃に遭遇しながらも、主に学園モノとして描かれている『僕のヒーローアカデミア』は、クラスメイトも教師陣も個性豊か。何も持たないことが逆に武器になっているデクも、体育祭や試験では思う存分学園生活を満喫する。ライバルは爆豪だけではなく、轟もまたデクの良きライバルだ。炎と氷の両方を使う轟には、誰にも言えない葛藤があった。それを吹っ切らせることができたのもデクのおかげと言えるだろう。
ヒロインの立場にいるのは、麗日お茶子(うららか・おちゃこ)さん。デクの名前の由来を聞いても、「がんばれ!って感じがする」と言ってくれるような、優しいお茶目さんだ。しかし彼女もまた葛藤を背負ってヒーローを目指している。委員長の飯田もヒーローの兄を誇りに思って同じ道を目指すなど、各キャラクターの背景にも物語を感じさせるところが深い。
初めのうちはキャラクターが多くて覚えるのが大変と思うかも知れないが、やがて個性とリンクして頭に入ってくるようになるだろう。アメコミ風の効果音やヒーロースーツのデザインなど、絵でも随所で楽しませてくれるこの作品は、早くも連載2周年を迎える。そしてアニメ化の一報が!「週刊少年ジャンプ」でも常に上位掲載に陣取っている人気作品なだけに、絵が動いて音が出るアニメになった時が楽しみだ。

【作品データ】
・作者:堀越耕平
・出版社:集英社
・刊行状況:1〜6巻(以下続刊)