【あらすじ】
城田真昼はシンプルなことが好き。面倒なことは嫌い。だから猫を拾った。何もしないで後悔することは、一番面倒くさいことだから──。そして首輪を付け、「クロ」と名づけた。ある日学校から戻ると、知らない男が家にいた。それは「めんどくせー」が口癖の怠惰な吸血鬼だった!人間の姿の時に名前を呼ぶと契約が結ばれてしまうと知らずに、仮契約をしてしまった真昼とクロ。どうやら切っても切れない関係になってしまったらしいが……?!
【みどころ】
「七つの罪」を題材にした作品の多い中、八つ目の罪を生み、それを吸血鬼と主人(イヴ)という関係に結びつけるところが新鮮な『SERVAMP(サーヴァンプ)』が、とうとうアニメ化決定!これまで雑誌の付録やコミックの特別版で、ドラマCDを出してきているだけに、アニメ化が期待されていた作品だった。
「印」を与え、名前を呼ぶと仮契約したことになり、吸血鬼が主人の血を飲むと契約したことになって、強い力で相手を倒す。しかし「怠惰」のサーヴァンプであるクロは、とにかくやる気がない。「めんどくせー」、「向き合えねー」と、面倒事からは距離を置きたがる。しかし熱血漢で物事をシンプルに考える真昼は、面倒事についつい首を突っ込んでしまうタイプ。
そんな二人が出会ったのは、「椿」と名乗る「八番目」のサーヴァンプ。彼は何故か七人のサーヴァンプを全員殺したいらしい。そのためには一般人を巻き込むこともいとわない。もちろんそんなことを真昼が許すわけがなく、自然と流れは対・椿という形になっていく。
他の数人のサーヴァンプと主人に出会い、仲間を増やしていく真昼だったが、「C3」という第三勢力が現れて、事情はさらにややこしくなる。シンプルに考えて、とにかく椿と話し合う必要があると考える真昼だったが──?
個性的な仲間、クロの過去、椿の心など、明るいコメディタッチの中に、シリアス要素も混在するこの作品は、人間と吸血鬼という柵を越えて、心に染み入るものがある。普段は猫や蝶など、ペットの姿をしているサーヴァンプたち。やがて主人との絆を椿に切られてしまうが……真昼たちは負けない。
アニメ化においてはどのような形でストーリーが練られるのかが気に掛かるところだが、今は続報を待ちたいと思う。最新刊8巻も先日発売したところで、さらなるワクワク感に満ちている。まずは原作を読んで、真昼たちの冒険を楽しもう!
【作品データ】
・作者:田中ストライク
・出版社:メディアファクトリー
・刊行状況:1〜8巻(以下続刊)