【あらすじ】
今まで一度も嘘をついたことがない「占い姫」は、どんな悪い占いの結果でも正直に答えてしまう。そこへやんごとなき人物が近く死ぬという結果が出た。占い姫はそれを伝えようとするが、それは阻止したい周囲の人々。そこへ嘘つきの名人・弥次郎が、嘘を教えにやってくる。嘘ばかりついてきた弥次郎と、嘘をついたことのない占い姫。相反する二人はわかり合えるのか?
【みどころ】
純粋過ぎるあまり、どんな残酷な結果でも嘘偽りなく、真実の占い結果を伝えてしまう「占い姫」。その占術は予言とまで呼ばれるほど。しかし、それを言ってはいけない相手もいるのだ。世の中には嘘や偽りで救われている者もいる。オブラートに包んだ言い方を求めても、「嘘をつくのは嫌だ」とかたくなな占い姫。
そのへ嘘の達人(?)・弥次郎が占い姫の「嘘の先生」として現れた。嘘つきの弥次郎の言葉の中に、真実はもちろんある。しかし、占い姫には人間が何故嘘をつくのかがわからない。とても純粋で、心がキレイで、子どもじみた占い姫に、弥次郎は身を持って「嘘の良さ」を見せていく。
やがて弥次郎のために初めて嘘をついた占い姫は、空飛ぶ船でやって来た弥次郎と行動を共にするようになる。そこは温かく優しい場所だった。それでも嘘や偽りはあちこちにある。それでも人間はうまくやっていけるのだ。中には嘘のほうが良かったり、真実を知らなくて良いこともある。占い姫は弥次郎と一緒にいることで、そんな現実をつきつけられていき──。
やがてすべての嘘が真実を見せる時、占い姫はどうなるのか?嘘つき弥次郎のおかげで新しい世界を知った占い姫の、嘘つき成長物語。嘘の中にある真実を、占い姫はどのように見つけ出すのか?!愛情あふれる嘘と真実の絡み合いを、とくとご覧あれ!
【作品データ】
・作者:カム
・出版社:講談社
・刊行状況:全1巻